この記事の連載

#3 デザイン性の高い変形ウルフボブ

 フロントとバックの長さに大きく差がある、デザイン性の高いショートボブ。

 ベースはウルフの変形で、前髪は眉下ギリギリ、バックの一番長い部分は襟にかかるくらいの長さに。

 耳より下くらいの位置からレイヤーを入れ、後頭部のウエイトを低めの位置に持ってくることで、極端なくびれが出ず、ウルフだけれど女性らしさを出しているのがポイントです。

 サイドから襟足のラインも一直線ではなく、細かく差をつけ毛先が首に沿うような柔らかい毛流れになっている点も、女性らしさを感じさせるポイント。

 個性を出しつつ、柔らかさや色香もまとえるスタイルです。

オーダーとスタイリングのポイント

 フロントからサイドは均一の長さで、バックはウルフベースのカット。マッシュとウルフをミックスしたようなイメージに。後頭部は耳中間から下くらいの、低めの位置から軽くレイヤーを入れ、強くくびれないようにする。毛先は一直線ではなく、サイドにかけて長さに変化をつけ首に沿うように。

 スタイリングは、オイルを全体に塗布し、コームでとかしてなじませながら表面にツヤを出す。ハリが強い直毛や、逆にうねるようなくせ毛で面の均一さを出しにくい場合は、表面の毛をストレートアイロンで伸ばしつつ、下方へ軽く引きながら、やや丸みが出るようスタイリングを。

YANAGI’s Point

 ウルフカットを「いかにハードにならないよう、女性らしく見せるか」をテーマに、後頭部のウエイトの位置を低くしています。ウエイト位置が高くハイレイヤーで、ボトムが軽いウルフだと、80年代風やロックテイストに寄るのでちょっとハードになるのですが、ウエイト位置を下げるだけでくびれ感が弱まり、女性っぽさもあるスタイルに。モデルの方は直毛ですが、くせ毛の方がくせを活かしてこのカットをしても可愛いと思います。

2024.01.18(木)
文=斎藤真知子