早い人は30代で出始める白髪。1本生えると気になり、なんとかしたい……とお悩みの読者も多いのでは? 以前は「白髪染め」で隠すのが一般的でしたが、最近では白髪染めを使わず、ハイライトで白髪を馴染ませたり、活かしたりするデザインの「地毛ハイライト」がトレンドに。背景には、コロナ禍で美容院に行けない時期が長く続いたことの影響もあるよう。

 今回は、「地毛ハイライト」にまつわる疑問や、白髪とうまく付き合う方法をグレイヘアカラースペシャリストの岩上晴美さんに教えていただきました。


「地毛ハイライト」は3、4カ月に1度のメンテナンスでOK!

──そもそも、「白髪染め」のメリット、デメリットを教えてください。

岩上晴美氏(以下敬称略) 根元からしっかり黒く染まることに加え、ドラッグストアなどでも手に入れやすいので、自宅で手軽にできるというメリットがあります。一方で、仕上がりが暗くなりがちだったり、褪色するとオレンジっぽくなってしまったりするなどのデメリットがあります。

──「白髪染め」以外に、白髪を目立たなくするにはどんな方法がありますか?

岩上 大きく「白髪ぼかしハイライト」と、最近人気の「地毛ハイライト」の2つの方法があります。「白髪ぼかしハイライト」とは、根元からハイライトを入れた後に、全体的に白髪と地毛をファッションカラーで染める、白髪を“ぼかす”方法です。

 一方、「地毛ハイライト」は、全体を染めずに、地毛を活かしながらハイライトを入れて、白髪を目立たなくする方法。地毛の根元からごく細くハイライトを入れることで白髪をなじませ、ナチュラルな印象に仕上げます。

──「地毛ハイライト」のメリットは?

岩上 なんといっても、3、4か月に1回の白髪メンテナンスで良いこと! 「白髪染め」の場合、根元が伸びてくるとまたすぐに白髪が目立ってしまうため、2~3週間周期でメンテナンスが必要になりますが、「地毛ハイライト」は根元が伸びてきてもハイライトと馴染むので目立ちにくく、3か月以上メンテナンスをしなくても気にならないという方がほとんどです。

 また、「白髪染め」は仕上がりが暗くなりがちですが、「地毛ハイライト」ではトナーという微アルカリ性のカラー剤でハイライト部分のみに色を入れることもできるので、ダメージを最小限に、色々なカラーが楽しめます。お客さまの好みもありますが、一般的に肌タイプがブルーベースの方はアッシュ系、イエローベースの方はベージュ系のカラーを入れると肌になじみやすいです。

 さらに、髪全体にハイライトが入ることで“動き”が生まれるので、ふんわりと立体感のある印象に見えるというメリットもあります。

──白髪の量が少ない人でも、多い人でも「地毛ハイライト」や「白髪ぼかしハイライト」はできますか?

岩上 もちろん、可能です! ただ、「ヘナカラー」や「ヘアマニキュア」などを使用している方など、白髪染めのようにしっかり暗い色に染まっている場合は、頭髪の状態によってはハイライトができないことも。また、「縮毛矯正」をしている髪にハイライトを入れると大きなダメージを与えてしまうため、こちらもおすすめできません。

──現在、白髪染めでしっかり染めている人も「地毛ハイライト」や「白髪ぼかしハイライト」はできますか?

岩上 伸びてきた根元にハイライトを入れるので、来店時の根元の伸び加減によって期間は異なりますが、時間をかければ可能です。実際に「白髪染め」から「地毛ハイライト」や「白髪ぼかしハイライト」に移行されるお客さまもたくさんいらっしゃいます。

──ハイライトを入れる際に、ブリーチをするかと思いますが、ブリーチで頭皮や髪の毛が傷みませんか?

岩上 薬剤を頭皮に直接つけないため、頭皮への負担は少ないです。また、3、4か月のメンテナンスになることで、毎月「白髪染め」をするよりも頭皮や髪への負担は軽減されます。どうしても頭皮や髪の傷みが気になる方や、お仕事の都合で髪の色を明るくしたくない方には、ブリーチをせずにハイライトを入れる方法もあります。

──「地毛ハイライト」や「白髪ぼかしハイライト」をした場合の自宅でのケア方法は?

岩上 ブリーチした部分の色が抜けてしまった場合、カラーシャンプーを取り入れるほか、色持ちをよくするシャンプーやトリートメントを使うことをおすすめしています。

2023.10.01(日)
文=河西みのり