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「韓国ドラマあるある」を感じる作品も

シン 漫画や小説を原作とした作品はたくさんあるので、BL漫画・小説好きの方は、原作と比較しながら観るのもありです。漫画は、ピッコマやLINEマンガなどで読めますよ。

 『ハッピーメリーエンディング~君にかけた魔法~』(2023年)もその一つ。ボーカルトレーナーの主人公は、過去にトラウマがあって人前に出るとパニックになってしまう。だからサングラスをかけて結婚式場でシンガーのバイトをしているんです。

 ある日、ピアノ伴奏者の代打で来た男性と知り合って、そのトラウマを少しずつ克服していくというストーリーです。

 KNK(クナクン)のイ・ドンウォンさんと『PRODUCE X 101』出演のソンテさん、SS501のキム・キュジョンさんや『聖なるアイドル』でアイドルグループのメンバーを演じたシン・ミョンソンさんなど、4人のメインキャストが全員アイドル経験者(?)である作品です。

――その作品、観ました! 序盤のトラウマを抱えているのがわかるシーンで「韓国ドラマあるあるだ!」と思いました。

シン 漫画や小説以外の珍しいケースだと、恋愛シミュレーションゲームを原作とした『ひかり男子高生徒会』があります。

――『ひかり男子高生徒会』は、生徒会メンバーの中に主人公の初恋相手がいるのは間違いないけれども、それが誰なのか分からないまま話が進んでいきますよね。「これってまさに『応答せよ』シリーズ(注:韓国で2012年から2015年にかけて放送された3部作ドラマ)じゃん!」となり、つい一気見してしまいました(笑)。

シン 同じことを思いました!

 ほかにも、ある秘密を持つ完璧な大学の先輩と、上京したばかりの新入生の恋が暴走する『8番目の感覚』(2023年)は、韓国と南アフリカ共和国出身の二人の男性監督による感覚的な演出が見どころですし、有名電子コミックが原作でテレビ東京にて放送された『冬すぎて桜』(2022年)、停職処分になった会社員が、社長のお気に入りの陶芸家と出会うというストーリーの大ヒット漫画を実写化した『俺は恋愛なんか求めてない!』もいいですよ。

 YouTubeで配信している作品では、高校の柔道部を舞台に先輩と後輩、三人の恋が行き違う『Blue Of Winter』、無気力な男の前に、突然自分たちが昔の飼い猫と犬だと主張する二人の男が現れることから始まる『Choco Milk Shake』もおすすめです。

2023.12.29(金)
文=ゆきどっぐ
撮影=佐藤 亘