今後も韓国BLドラマのトレンドは続く
――初めて聞くタイトルばかりです。韓国BLドラマって、たくさん作られているんですね。
シン 尺が短くてコンパクトに作れるからですかね。『セマンティックエラー』以降、企画がどんどん立ち上がっています。
――やっぱり起点はセマエラなんですね! 今後もこの流れは続くんでしょうか?
シン 海外ファンからも支持を得ている『俺は恋愛なんか求めてない!』『僕らの恋愛シミュレーション』『8番目の感覚』といった作品が登場しているから期待できると思います。
ただ、作品が売れるかどうかは、蓋を開けるまでわからないんです。BLに限らず、原作が人気でヒットする要素を集めた作品でも、公開したら駄目なときもある。それが映像業界の面白さではあるんですけどね。
――なるほど。奥が深いですね。
シン ぜひ、ファンが推す作品は観てみてほしいです。BLはファン同士のコミュニティ機能が強いから、面白い作品を推す文化があるんですよね。書籍『BL進化論 ボーイズラブが世界を動かす』(溝口彰子著/太田出版)で、「物語の表面を見れば、BLは常に、男性キャラたちが主人公である。しかし同時に、BLはかつてどこにもなかった規模と密度・深度で、BL愛好家の女性たち同士が愛を交歓するコミュニティでありフォーラムとして機能するようになったのだ」と語られていて、本当にその通りだなと思いました。
韓国BLはこれから発展していくので、ファンを増やして、コミュニティで熱く語れるような場も作っていきたいです。微力ながらお手伝いができれば嬉しいです。
●お話を聞いたのは……
シン・ドーンさん
エイベックス・フィルムレーベルズ
レコードレーベルを経て、映画・ドラマ周りの権利を取り扱う。自称ストーリーモンスター、主食はドラマと小説。インセン(人生)ドラマは「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」。最近の推しは小説家チョン・セラン(「保健教師アン・ウニョン」)とタイBLドラマ「愛の香り〜I Feel You Linger In The Air~」の主演俳優ノンクン(Nonkul)。
2023.12.29(金)
文=ゆきどっぐ
撮影=佐藤 亘