宮沢さんと7年ぶりの共演をすごく楽しみにしていた
――宮沢さんとは『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)でも夫婦役を演じられていましたね。
あれ以来だったので、すごく楽しみにしていました。その間、特に連絡を取っていたわけでもないですし、お互いの変化や成長を、芝居を通して分かち合えることが純粋に待ち遠しかったですね。
――7年ぶりに宮沢さんと夫婦役で共演されて、どんなことを感じられましたか? 『湯を沸かす~』は、末期がんで余命宣告を受けた妻が失踪した夫を連れ戻し、家業の銭湯を再開して家族を立て直す、“笑いあり泣あり”でタイトル通りの熱いドラマです。オダギリさんが演じた夫・一浩は、若い女性のもとにふらっと転がり込み1年も居つくような人物でした。
すごく適当な男でしたよね(笑)。ものすごくいい作品ですけど。『月』とはまた作品の色が違うので当たり前ながら、今回は宮沢さんがとても繊細に役に向き合われていたので……なんて言えばいいのか、少しでも宮沢さんの役に立てたらな、という気でいました。
――『月』の昌平は、妻を「師匠」と呼び尊敬している人形アニメーション作家で、収入はまだなくともバイトをしながら夢をあきらめずに作家活動を続けている人物です。そうした役者としての宮沢さんへの思いは、昌平と洋子の夫婦関係に通じる面もあったのでしょうか。
そうですね、実際に後輩ですし。似ているといえば似ているのかもしれないですね(笑)。
2023.10.12(木)
文=あつた美希
写真=釜谷洋史