2000年代の日本映画を支えた“立役者”たちが、監督と出演者として初の本格タッグを組む。しかも、舞台はテレビドラマ。

 共闘作「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」を通し、「ものづくり論」を語り合った。


作品のクオリティにはこれからもこだわっていきたい

オダギリ 『あずみ』(2003年)では共演シーンはなかったから、初めてお会いしたのは、『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(’07年)の打ち上げでしたよね。「あれ? 瑛太くんがいる」と思ったのを覚えています。

永山 はい。リリー・フランキーさんに呼んでいただきました。僕は全く出演もしていないのに、ぽつんと座っていて……(笑)。

オダギリ でもお互い人見知りだから、その場ではほとんど喋らなかったですけどね(笑)。

’00年代に映画界で共闘した仲間

永山 ちゃんとお話ししたのは、今回の作品の衣装合わせのときでしたね。実は前に、雑誌で写真を撮る連載をやっていたんですが、どうしてもオダギリさんに出てほしくてオファーしたらお断りされてしまって……。それで、「オリバーな犬」のオファーも勘ぐってしまった部分はあります(笑)。

オダギリ 確かに(苦笑)。でも僕は元々、瑛太くんを’00年代の日本映画をともに盛り上げた仲間のように感じていましたよ。それこそ西川美和監督が『ゆれる』(’06年)の後に『ディア・ドクター』(’09年)で瑛太くんとやっていた流れもあったし。

永山 嬉しいです。20代の頃からオダギリさんの存在はずっと気になっていて、仕事への取り組み方や距離感が素敵だなと思っていたので。自分の世界観をもちながらも、作品の中で丁寧にテーマ性を背負って、自分にしかできない表現を追求している。

 僕もすごく影響を受けましたし、ファッションやヘアスタイルも含めて、「いまオダギリさんはどこに向かっているのか」注視していました。今回の台本にはオダギリさんの色々な要素が詰まっていて、出られるなんて本当に幸せ者だと感じました。

組んで分かった“嬉しい誤算”

永山 監督は、一つひとつのことに答えを出さなければならないポジションだと思うんです。今回、オダギリさんの瞬発力とイメージのすり合わせを生で見て、肌で感じられたことが大きかったです。オダギリさんの次の言葉をみんなが待っている、心地よい現場でした。

オダギリ 今回の作品での瑛太くんの芝居には正直驚いたんです。台本を書いていたときはあそこまでぶっ飛んだ役をイメージしていなかったけど、瑛太くんが作ってきてくれたキャラクターが面白かった(笑)。台本の意図しているところは決して崩さず、その中で自由に遊んでくれていました。作品の良いスパイスになってくれて、感謝しています。

2021.09.17(金)
Text=SYO
Photographs=Takuya Nagata(W)
Styling=Tetsuya Nishimura〈Odagiri〉、Taichi Sumura〈Nagayama〉
Hair & Make-up=Yuki Shiratori〈Odagiri〉、Katsuhiko Yuhmi(THYMON Inc.)〈Nagayama〉

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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