大切なのは効率化でなく、質

オダギリ テレビの現場って、時間にしばられることが多く、映画とは撮影スケジュールの立て方も違うんです。スケジュールに細かく時間割りが書かれていて。でもそれだと、「時間内に撮りきる」が第一目標になってしまい、クリエイティブの部分がこぼれ落ちていく。そのため、今回はスケジュール表から時間の項目を抜いてもらいました。

永山 確かに、映画に近かったですね。連続ドラマだとカット割り表がみんなに配られて「こう撮ります」と事前に指示される場合もありますが、今回は「こういうカットも撮ってみよう」とその場で生まれるアイディアも多かった。

オダギリ 働き方改革なども重要ですが、時間を気にしすぎてクオリティが下がったら意味がない。労働時間を改善しつつ、クオリティを下げない時間的余裕を作るべきだと感じました。バランスは難しいですが、今後もこだわっていきたい部分です。

永山 僕もいつか監督をしてみたいと思っているので、「オリバーな犬」での遊び心に溢れたものづくりはすごく楽しかったです。「カメラは水平じゃなくて斜めでいいし、人物と一緒に揺れたら面白い」など、オダギリさんならではの自由な演出の数々に刺激を受けました。

オダギリ そう言っていただけて、とても光栄です。瑛太くんがどんな映像を作るのか、とても楽しみです。とことんわがままに作ってくださいね!

YouTubeでメイキングムービーを公開中!

オダギリジョー

俳優。1976年2月16日生まれ。岡山県出身。『アカルイミライ』(’02年)で映画初主演を飾り、以降第一線で活躍を続ける。初長編監督作『ある船頭の話』はヴェネチア国際映画祭他、高い評価を得る。最新作「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」が9月17日からNHKで放送。待機作として、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」がある。

永山瑛太(ながやま・えいた)

俳優。1982年12月13日生まれ。東京都出身。『サマータイムマシン・ブルース』(’05年)で映画初主演を果たし、今日に至るまで多数の映画・ドラマに出演。ドラマ「オリバーな犬」では奇抜な役どころに扮した。最新作は映画『護られなかった者たち』(10月1日公開)。

●2人の創造力を刺激する作品はこれ

オダギリジョーさん
『フォービデン・ゾーン』

「初めて観た際の衝撃が忘れられません。作り手の『常識なんてどうでもいい』という“創作の自由”に刺激を受け、僕自身もそんな大人を目指すように。CREA読者の方は一生目にしないカルト映画かも知れませんが(笑)、これを機に観ていただければ」

デラックス版DVD 5,586円 販売元:フルメディア ※品切れ中


永山瑛太さん
『爆笑コメディ劇場』

「喜劇俳優が昔から好きで、ずっと観ていられるんですよね。キャラクターだけでなく、演じている本人も面白くて惹かれます。連ドラ等の長丁場だと日常生活でも役を引きずってしまうことがあるのですが、大事な息抜きになっています」

DVD10枚組 1,898円 販売元:コスミック出版

ドラマ10「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」

鑑識課警察犬係に所属する警察官・青葉一平(池松壮亮)と、彼の相棒である警察犬オリバーの凸凹コンビが、奇妙な事件の解決に挑んでいく。脚本・演出・出演:オダギリジョー 出演:池松壮亮ほか NHK総合にて、2021年9月17日(金)から毎週金曜夜10時より放送(全3回)

2021.09.17(金)
Text=SYO
Photographs=Takuya Nagata(W)
Styling=Tetsuya Nishimura〈Odagiri〉、Taichi Sumura〈Nagayama〉
Hair & Make-up=Yuki Shiratori〈Odagiri〉、Katsuhiko Yuhmi(THYMON Inc.)〈Nagayama〉

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

明日のためのエンタメリスト

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