“避難港”と呼ばれる港が22も

 また、カルデラである錦江湾は最深部で200メートル以深。磯場もあれば、サンゴや干潟もあり、多様な自然環境が揃っています。そのため魚種は約1,000種を数えるそう。

 新鮮なブリやカンパチはもちろん、珍しいところでは深海に暮らすナミクダヒゲエビ(赤エビ)も錦江湾のめぐみ。濃厚な甘みとぷりぷりとした食感のエビは、天ぷらや寿司ネタなどで味わえます。そして錦江湾では通年、イルカも見られるそうです。

 さて、気になる桜島のビーチ。“避難港”と呼ばれる緊急時の島外避難のための港が22あり、番号が付けられています。

 そのうち、8番の塩屋ヶ元港へ。急坂を下りた先に、漁船が数隻停泊する、緑の岬に囲まれたエメラルドグリーンの風光明媚な入り江が広がります。

 実は、外海と入り江の境部分は年代の異なる溶岩の塊なのだとか。外海に向かって右が764年の天平宝字溶岩、左が1946年の昭和溶岩。そう思って見てみると、美しい景色の中にも桜島のパワーが感じられます。

桜島

●アクセス 鹿児島港から桜島フェリーで15~20分
●おすすめステイ先 シェラトン鹿児島
https://www.marriott.com/ja/hotels/kojsi-sheraton-kagoshima/overview/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2023.10.07(土)
文・撮影=古関千恵子