#282 Satsuma Iojima
薩摩硫黄島(三島村、鹿児島県) その3

鹿児島市の南約100~150キロ、3つの島からなる三島村の島のひとつ、薩摩硫黄島。
前回、前々回は硫黄岳の噴気孔への登山や、野趣あふれる野湯めぐりについてご紹介しました。今回は島の暮らしについて、見てみましょう。
薩摩硫黄島へは鹿児島港から、フェリーみしまで竹島を経由して約4時間。この運航スケジュールが少々わかりにくい。

「日帰り便」とお隣、黒島の片泊港に1泊する「1泊2日便」とがあり、それぞれ出港時間が違います。スケジュールも月ごとに微妙に変わるので、運航予定が発表になるまでは先々の予定が組みにくいのが厄介です。


「思った時に自由に動けないのは不便ではないですか?」と、2018年に移住した棚次紫寿代(たなつぐしずよ)さんに聞いてみました。すると「フェリーは天気や海の状況次第。思い通りにはいかないこともあるんだ、そう実感できることが、実はすごく豊かだな、とも思えます。そういうことが、むしろ、ちょっと面白い」との答えが。
そんな紫寿代さんが今、手掛けているのが、薩摩硫黄島の昔からの産業である椿油の製品製造。この島に移り住むまでは、椿油とはなんの関わりもなかったそう。
2023.09.09(土)
文・撮影=古関千恵子