#280 Satsuma Iojima
薩摩硫黄島(三島村、鹿児島県)

 口永良部島の番屋ヶ峰から薩摩硫黄島(以下、硫黄島)をはじめて見た時、なんてかわいいカタチをしているんだろう、と一目惚れ。

 ぽこんと立ち上がった硫黄岳から白い煙が湧いています。イメージ的には山頂から汽車のように、ぽ、ぽと白煙が吐き出されている感じ。ある人は、『星の王子さま』のうわばみの絵のような島のカタチだ、と。まるで童話から抜け出た宝の島のように思えたのです。

 その3カ月後、鹿児島から硫黄島に向かう「フェリーみしま」の船上の人に。けれど、船の運航スケジュールの都合からこの時は1泊2日しか島に滞在できませんでした。それなのに運悪く、2日とも一瞬の晴れ間もない悪天候。そぼ降る雨の中、傘を手に憧れの硫黄岳を恋人岬から眺めるだけで帰ることに。

 そして7月、硫黄島をリベンジ再訪! 

 鹿児島市の南約100~150キロ、3つの島からなる三島村の島の一つ、硫黄島。鹿児島からはフェリーみしまで竹島まで約3時間、竹島を出港して約40分で到着します(村営の飛行場もありますが、この時はクローズ中)。

 硫黄島港に入港すると、島の子供が中心となってジャンベという太鼓とダンスで迎えてくれます(なぜジャンベなのかは、また後日)。待望の太陽の下で見上げる硫黄岳と、陽気なリズムに気分もアガります。

2023.08.12(土)
文・撮影=古関千恵子