ジャンベの歓迎を受ける活火山の島、硫黄島

 一周約19キロ。島の人口は138人(2023年7月)、そのほとんどが硫黄島港周辺に広がる集落に暮らしています。

 集落を散歩していると、あちこちで若いおかあさんと子供に「こんにちは」と声をかけられます。離島というと、高齢化の進んだ限界集落のようなイメージがありましたが、ここ硫黄島は移住組が多いせいか、思いのほか子育て層が多い印象。ジャンベ留学生などもいて、平均年齢は若そうです。

 硫黄島は竹島とともに鬼界カルデラのエッジに位置している火山島です。カルデラはほぼ海に沈んでいるので、全容は見えないのですが、北西-南東約25キロ、北東-南西約15キロの楕円形をしています。

 鬼界カルデラは約58万年前から繰り返された巨大噴火によって形成されました。特に約7,300年前の噴火は、遠く関東や北信越にまで影響したという激烈ぶり。噴出した溶岩がホバークラフトのように高速スピードで海面を走り、九州南部に到達しました。この時、鹿児島の縄文人のほとんどが犠牲になったそう。7,300年前って、地質形成の尺度で考えたら、つい最近の話です。そんなホットな活火山の島が硫黄島なのです。

 三島村ジオパーク推進協議会のメンバーの棚次理さんにガイドをしてもらい、硫黄岳山麓の噴気孔を見に行くことに。棚次さんは地域おこし協力隊がきっかけで硫黄島に移住した方です。

2023.08.12(土)
文・撮影=古関千恵子