ガイドと共に白煙を吐く硫黄岳へ
7月の炎天下、ヘルメットとガスマスクを装着し、登山をスタート。草むらを歩き始めると、足下に生えていたシダ植物のミズスギが目に留まりました。
このミズスギは八朔(はっさく)太鼓踊りという祭りの時に現れる仮面神メンドンのアタマに挿す飾りだそう。このメンドンの見た目のインパクトはそんじょそこらのゆるキャラの比じゃありません。メンドンもいつの日か見てみたい。
それはさておき、噴気孔までの道を棚次さんの後ろについて上がっていきます。
途中、地層が露になっているところで棚次さんが黒い層を指しました。これは7,300年前の大噴火の際、草木が蒸し焼きになってできたもので、その上に噴石が降り積もって地層を形成したのだそう。何千年も前に起きたことが地中にタイムカプセルのように閉じ込められ、時を経て今見ていると思うと不思議な感じがします。
噴気孔のまわりには硫黄成分のせいか、どこかケミカルな蛍光グリーン色を放つ、鍾乳石のような岩塊の景色が広がっていました。棚次さんが足下の石を手に取り、軽く力を入れるとぱっくり3つに割れました。熱によって変化したのでしょうか。
あちこちから煙が昇り、足裏も少し熱い感じ。風上にいるので、硫黄臭はそれほど気になりませんが、日によっては強烈な臭いの時もあるそう。目の前に広がる草木のない、白と蛍光グリーンの城塞のような光景にしばし見入ってしまいました。
今回、フェリーみしまのスケジュールは3泊4日でしたが、週末などは1泊2日のことも。長期の休暇がなくても、この非日常が体験できるのです。
薩摩硫黄島(三島村、鹿児島県)
●アクセス 鹿児島港からフェリーみしまに乗り、約4時間。東京からは朝9:30出港なので、前日泊が必要。
●おすすめステイ先 イオキャラバンパーク(素泊り)
https://io-caravan-park.site/
【取材協力】
株式会社いおう
三島村観光協会 http://mishimamura.com/gaiyoukankou/
Column
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2023.08.12(土)
文・撮影=古関千恵子