毎日、うだるような暑さ。お肌も目も頭もヒリヒリするほど、眩しく照りつける日光。

 皆さんも日除けとして利用しているであろう帽子ですが、お洒落に着こなすことができないとお悩みの方も多いのではないでしょうか?

 帽子は実用に留まらず、ヘアピースとしても簡単にサマになる「チートアイテム」です。帽にもかかわらず、子に対して「私には似合わないから」と抵抗感がある方が多いようですが、美容師として言わせていただくと、「帽子が似合わない」ということはない、と考えています。なぜなら「帽子が似合うか否か」というのは、帽子とヘアスタイルを合わせた「全体のシルエット」次第だからです。

 そこで今回は、そんな「私には似合わない」と諦めてしまっている方に向けて、似合わないと思っている人がやりがちなことや、こうすれば似合う!  というポイントを解説します。


そもそも、帽子は見た目の印象を作る上で最も簡単で実用的なアイテムです。ビジネスシーンでは使えませんが、サッと被るだけで寝癖をカバーできるなど、メリットを挙げればきりがありません。

 しかし、沢山の方が苦手だと思っていることからもわかるように、帽子は相性の良い/悪いを感じやすいアイテムでもあります。これは帽子に、ヘアスタイルを大きく変えるのと同じくらい「見た目の印象」を変える力があるからです。

 それだけ劇的に印象を変えられるアイテムですから、「帽子を被った私」に見慣れず、本当は似合っているのに、違和感を覚えているという可能性もあります。では肝心の「帽子が似合う/似合わない」は、どう判断すればいいのでしょうか。

帽子が似合わない人がやりがちなこと

 ここで言う「帽子が似合う」状態は、帽子とヘアスタイルを合わせた「全体のシルエット」が好印象に見えていることを指しています。つまり多くの帽子は、ヘアスタイルの“あしらい方”次第で似合うように被れる、ということです。そこでお店での試着の際は、これからご紹介する3つの方法を試してみてください。

 その前に、前提として注意点が一つ。サイズが小さく頭が入らない帽子は絶対にアウトです。入らない帽子を被ってしまうと、頭の大きさや形を強調し、カッコ悪い印象になってしまいます。

 特に「海外ブランドの帽子」は要注意です。なぜなら海外ブランドの帽子はサイズが小さい傾向があり、比較的頭が大きいアジア人にはフィットしないことも多いからです。

 同様に、頭が入り切らずに“浮いている”状態になる帽子も避けましょう。これは浅い帽子に起きやすいのですが、帽子が頭にフィットせず乗っかっていると、頭の大きさを助長して見せてしまいます。

 これらの前提を踏まえた上で、試着の際に、「似合わない」と感じる人がやりがちな3つの行動を紹介します。

1.「正面だけ」見てしまう

 試着して鏡を見る際、自分の「正面の顔」を見ただけで終わっていませんか? 帽子が影響を与えるのは、「前から見た印象」だけではありません。

 帽子はツバの大きさや形によって、「横から見た時のシルエット」が劇的に変わります。つまり、被ると「横顔」にも大きく影響するのです。

 特に注目したいのが、頭の形です。いわゆる「絶壁」に悩む方も多いと思いますが、帽子を被れば簡単に「後頭部の丸み」を作ることができます。

 頭の形は、後頭部に丸みがある方が美しく/カッコよく見えます。対して「絶壁」だと、横から見た頭の形が縦長な印象になる上、首が短く見えるため、頭でっかちに見えやすくなります。

 帽子を被ると後頭部に自然な丸みが生まれ、首にかけてS字を描くようになるため、元の頭の形が絶壁でもシュッとした印象が際立ち、小顔に見えるようになります。これが「似合っている状態」です。

2025.08.06(水)
文・イラスト=操作イトウ