#281 Satsuma Iojima
薩摩硫黄島(三島村、鹿児島県) その2

前回は薩摩硫黄島の硫黄岳の噴気孔への登山を体験。煙が立ち上り、足裏から地熱が伝わってくる“生きる火山”を体感しました。今回は、火山がもたらす恩恵、温泉のお話です。
温泉といっても、はじめて聞く“野湯(のゆ)”というジャンル。これは、人里離れた海沿いや山間などの“野に湧いている”、つまり自然の中に自噴している温泉のこと。加えて、温泉施設のような人の手が加わっていないところをいうのだそうです。

宿泊施設「イオキャラバンパーク」の今別府秀美(ひでよし)さんと話をしている時に、ひょんなことから野湯が話題に上り、もう興味津々。薩摩硫黄島にはいたるところに野湯が湧いていて、その道の愛好家たちにとっては羨望の地だとか。

急遽、今別府さんにガイドしてもらって野湯めぐりをすることになりました。
野湯を目指すにはそれなりの格好が求められます。絡み合うような草藪の道なき山道を下りていくため、ビーチサンダルや短パンでは傷だらけになってしまいます。水着なんてもってのほかです。長袖長ズボン、スニーカーで、いざ出陣です。
2023.08.26(土)
文・撮影=古関千恵子