断崖のそばに立つ「イオキャラバンパーク」に宿泊

 温泉ガイドをしてくれた今別府さんは、今回利用した宿泊施設「イオキャラバンパーク」のオーナー。アウトドアの趣味が高じて、三島村役場が募集した遊漁船の船長に応募したのがきっかけで、42歳で移住しました。それまで忙しかった分、人生の折り返し地点に立った時に、のんびり生きてみようという思ったのだとか。

 7台のキャンピングトレーラーと屋内の炊事場からなるイオキャラバンパーク。自炊のための調理器具は調っているし、掃除は行き届いているし、なにより、テントと違って強烈な夏の日差しの下ではエアコンがあるのがありがたい。

 トイレやシャワー、洗濯機は徒歩ですぐの体育館や三島開発総合センター(開発センター)のものを利用します。基本的には不自由はないのですが、体育館の網戸にびっしりしがみついているカナブンが厄介。その存在を忘れて勢いよく戸を閉めると、ボロボロッと無数のカナブンが落ちてきます。恐怖。

 開発センターには温泉施設もあり、週3回、温泉が利用できます。こちらも快適。

 今回は行けなかったけれど、船で目指す田代の洞窟温泉や噴水のように噴き上がる昭和硫黄島の温泉も、野湯ファンの間では垂涎モノの存在だとか。薩摩硫黄島は温泉のバリエーションが実に豊富。それに今回の温泉めぐりで、野湯という新たな興味の泉も湧いてきました。もう間欠泉のように沸騰中です!?

薩摩硫黄島(三島村、鹿児島県)

●アクセス 鹿児島港からフェリーみしまに乗り、約4時間。フェリーは朝9:30出港なので、東京から行く場合は前日泊が必要。
●おすすめステイ先 イオキャラバンパーク(素泊り)
https://io-caravan-park.site/

【取材協力】
株式会社いおう
三島村観光協会 http://mishimamura.com/gaiyoukankou/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2023.08.26(土)
文・撮影=古関千恵子