この記事の連載

 1981年、尾山台に誕生したオーボンヴュータン。以来、実に40年以上にわたり、伝統的なフランス菓子を作りつづけています。

 唯一無二のおいしさと、ひとつひとつのお菓子が持つストーリー。79歳の今日も元気に厨房に立つ河田勝彦シェフが語るフランス伝統の焼き菓子のおいしさとは?

 【毎日オーボンヴュータン】でお会いしましょう!


#68 ムース・ショコラ・ジュスト・キュイ(MOUSSE CHOCOLAT JUST CUIT)

 「名前の意味はつまり、“焼いただけのムース・ショコラ”。以前から、ムース・ショコラに火を入れたら、こんな食感になるんじゃないかな、というのを思い描いていたんです。そして、オリジナルの器をつくったのを機にやってみたのが、これ」と河田シェフ。

 卵黄と砂糖を混ぜたところに、溶かしたチョコレートとバター、カカオパウダー、メレンゲを合わせ、オーブンで焼き上げます。

 メレンゲにも砂糖を加えて、ムース自体は甘めに。そうすることで、焼いたときに表面のサクッ、パリッとした食感が生まれます。

 それに対して中はフワッ、ジュワッ、ねっとりとして、チョコレートの濃厚な味わいが楽しめます。

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河田勝彦(かわた かつひこ)さん

1944年東京生まれ。まだ菓子職人がフランスに渡ることが少なかった時代に、8年間フランス各地で修業を積む。1981年に「オーボンヴュータン」を開店。古き良きフランスの伝統を貫き、骨太な菓子で日本のフランス菓子界を牽引し続ける存在だ。

AU BON VIEUX TEMP(オーボンヴュータン)

所在地 東京都世田谷区等々力2-1-3
電話番号 03-3703-8428
営業時間 10:00~17:00
定休日 火・水曜
https://aubonvieuxtemps.jp/

※ラインナップ、価格等は2022年取材当時のものです。

次の話を読む【毎日オーボンヴュータン #69】 次の100年を想いつくられた 名作「ガトー・21世紀」

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2023.09.20(水)
文=瀬戸理恵子
撮影=合田昌弘