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◆東北人家 本館の冷麺

 中国東北地方のマニアックな料理が食べられることで、ガチ中華ラバーに高い人気を誇るお店。中国東北とは旧満州地区。北朝鮮とロシア、モンゴルに接しているエリアで、料理もそれらの地域の影響を受けています。

 そば粉を練りこんだ「冷麺」は韓国料理(北朝鮮)にかなり近いですが、キリッとすっぱいスープが東北流。牛肉からとったスープにリンゴとキュウリを漬けてダシを取り、酸味の強い韓国の酢と旨みのある中国の酢をミックスしています。

「キンと冷えたスープをすすると、鮮烈な酸味が五臓六腑にきゅーんとしみわたります。酸味の奥にリンゴの甘さがほんのり見え隠れするのもいい」(嶺月さん)

 牛スネ肉も中国東北料理ならではのトッピング。プリプリ弾力のある麺に、どっさりのったキュウリやキムチ、うずら卵を冷たいスープに泳がせながら味わいましょう。

 ほかにも「冷やしタンタン麺」や「ジャージャー麺」など、夏季限定の冷たい麺が揃います。「羊肉の餃子」や「豚背ガラ肉の醤油煮込み」などここでしか食べられない珍しい料理が揃うので、あれこれ食べたくなってしまう非常に悩ましい店です。

東北人家 本館(トウホクジンカ・ホンカン)

所在地 神奈川県横浜市中区山下町214
電話番号 045-641-7595
営業時間 11:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 なし
●JR石川町駅より徒歩4分
https://tohoku-jinka.com/

ライター・嶺月香里

東京都生まれ。横浜中華街の1年を通した連載を手がけるなど、中華街を取材し続けて10年以上。老舗の名物はもちろん新店にも積極的に足を運び、中華街の深淵を日々探索中。酒と肴と動物性たんぱく質が主食で、ウナギが大好き。CREA webで「教えて! ウナギ大好き、ウ大臣」のコラムをあげている。食以外では「温泉」と「恐竜・鉱物」がライフワーク。

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2023.08.09(水)
文=嶺月香里
撮影=鈴木七絵