街の中料理店には冷やし中華メニューが並び、こうも暑いとついつい手がのびます。「冷やし中華」は日本の夏の風物詩のひとつです。
では、中華料理店がずらりと並ぶ横浜中華街ではどうなのか? そこはオリジナリティ溢れる冷たい麺がしのぎを削る激戦区。何度も足を運びたくなる冷麺ワンダーランド!
#02では、横浜中華街の取材を10年以上、定期的に続けてきたフードライター・嶺月香里さんが、中華街だからこそ出合える“ちょっと珍しい冷たい麺”をご紹介。
「中華街は中国本場の技をベースに、町中華にはない独創的な名物料理を生み出すのがうまい。冷やし麺も独特ですよ」という嶺月さんの、この夏イチオシの3杯をナビゲートします。
» #01 横浜中華街で冷たい麺を食べ尽くした“ハマの冷や中刑事”がこっそり教えるこの夏、必食の3杯は?
◆南粤美食の南粤翡翠雲吞冷麺
平日でも行列必至、横浜中華街で今、一番人を集めているといわれている店がここ。広州出身のシェフが本場・香港の味を、手抜き一切なしに手間暇かけて仕込んでいます。
「看板料理の『海老雲吞麺』は、大きな海老がみっちり詰まった存在感のあるワンタンに誰もが感動するはず。その海老雲吞麺の冷やしバージョンが夏季限定で登場! 麺の在庫がなくなり次第終了するので急いで食べに行って」(嶺月さん)
翡翠色の麺は香港から仕入れる細麺で、ほうれん草が練り込まれていますが野菜のクセは皆無。中国の甘口しょうゆを使ったタレはコクがあり、つるりと喉にすべりこむ冷たいワンタンの皮のなめらかさ、コシのある麺との組み合わせが絶妙です。
翡翠麺は見た目にも涼しく、香港でも暑いときによく食べられている麺。専門店もあるほどポピュラーです。
麺にのっている名物の海老雲吞はオンラインでも購入できます。極たまに「南粤翡翠雲吞冷麺」もオンライン販売するそうなのでSNSをチェックして!
南粤美食(ナンエツビショク)
所在地 神奈川県横浜市中区山下町165-2 inビル1F
電話番号 045-681-6228
営業時間 11:30~15:00(13:30最終受付) 17:00~21:00(19:00最終受付)
定休日 水(祝日の場合は営業、翌日休み)
●みなとみらい線元町中華街駅より徒歩2分
Twitter @nanyuemeishi627
2023.08.09(水)
文=嶺月香里
撮影=鈴木七絵