世界最大級の規模を誇る横浜中華街は「食」と「文化」の街。風水思想にもとづいて建てられた牌楼(門)が10基あり、その内側500平方メートルのエリアに600以上の店舗が軒を連ねています。

 隠れた名店で本場の中国の味を楽しんだり、中国雑貨や珍しい食材を探してみたり。密を避けつつも、少し出かける「5 hours Trip」。今回は、いつもと違う、ちょっとディープなグルメタウンへTrip!


朝からおいしい横浜中華街! 行列のできるあの店へ

9:00

 上海、四川、広東、北京といった本場顔負けのクオリティの中華料理が楽しめる横浜中華街。じつは、朝グルメとして外せないのが朝粥です。消化のよいお粥は、体に負担をかけず、美容にもよいといわれています。まずはヘルシーでおいしい中華粥を食べて、1日の英気を養いましょう。

 1951年創業の「謝甜記貮号店(しゃてんきにごうてん)」は、並んででも味わいたい人気の中華粥専門店。目標は、サンタクロース! 365日店頭で出迎えてくれます。行列必須の名店ですが、平日の朝なら比較的スムーズに入店できます。

 お目当ての中華粥は、魚介にお肉、野菜など、21種もの具材のラインナップに加え、高菜やしじみ、パクチーといったトッピングもあり、迷いながらもテンションが上がります。

 ベースとなる中華粥は、生のお米から乾燥カキと乾燥貝柱、鶏一羽をまるまる入れて、じっくり4時間ほど煮込むことで、滋味溢れるおいしさに。さらに独自の深い味わいを出すために、「セル マラン ド ゲランド」というフランス原産の塩を加えているのだそう。

 ひと匙ごとに素材の旨みが体に染み渡り、その優しい味わいにほっこり。出汁が効いているので、そのままでも絶品ですが、付け合せのザーサイやヤオチャッカイ(揚げパン)を一緒に味わったり、醤油ネギや黒酢を加えたり、アクセントをプラスすると味の変化も楽しめます。カリッと揚げたてのヤオチャッカイを追加して、醤油ネギにつけて食べても美味。自分好みの食べ方をみつけてみて。

謝甜記貮号店

所在地 神奈川県横浜市中区山下町189-9
電話番号 045-664-4305
営業時間 月~木8:30~15:00、17:00~20:30Lo
     金  8:30~15:00、17:00~21:30Lo
     土  8:00~21:30Lo休憩なし
     日  8:00~20:30Lo休憩なし
定休日 無休
※営業時間が変更になることがあります。最新の情報は下記HPで確認をお願いします。
http://www.shatenki-nigouten.co.jp/

10:00

 絶品の朝グルメでエネルギーをチャージしたら、朱雀門方面へ。南門シルクロード沿いにある中国式の寺院を参拝しましょう。

 横浜中華街のシンボルといえば、商売繁盛の神様として祀った「関帝廟」が思いつくかもしれません。一方、あらゆる神様を祀っている「横濱媽祖廟(よこはままそびょう)」は、2006年に建立され、比較的新しい寺院ながらもパワースポットとして人気を集めています。

 「横濱媽祖廟」は、航海の安全を守るという媽祖を祀る場所。媽祖は自然災害や疫病などから人々を守る女神。心願成就や家内安全、金運招財といった、さまざまなご利益があるとされ、華僑の心のよりどころになってきました。女性に人気の縁結びの神様「月下老人」も祀られているため、良縁を願う人たちが多く訪れています。

 境内には、1~5まで番号のついた香炉があり、順番に線香を供えて参拝します。

 続いて廟堂に入り、媽祖様を参拝。膝をついて合掌し、住所・氏名・生年月日を心の中で唱え、自己紹介してから願いごとを告げます。お供えした金紙は、境内にある金亭(炉)で燃やして神様に捧げます。

 本殿内では、よく当たると、噂の「神筈(しんばえ)」という三日月型の神具を使った神筈式おみくじも体験できます。係のスタッフが日本語で親切に案内してくれるので、正しい作法を理解しながら異文化を学ぶことも。

横濱媽祖廟

所在地 神奈川県横浜市中区山下町136
電話番号 045-681-0909
営業時間 9:00~19:00
無休
http://www.yokohama-masobyo.jp/

 中国式の参拝を体験した後は、のんびり散策タイムです。横浜中華街には、アジアン雑貨や珍しい茶葉、調味料なども目白押し。お土産にして帰宅後のお楽しみにも。

2021.03.21(日)
文=大嶋律子
写真=釜谷洋史