◆『逢沢りく』ほしよりこ
東京の“完璧”な家庭に生まれた14歳のりく。関西の親戚に預けられることになり、徐々に自分の居場所を見つけていく。
「子どもにとって親が一番心地よい人間ではないかもしれないという、ある意味当たり前であり、そして残酷な事実を教えてくれる。赤ちゃんはかわいくて、だからいつか『自分のもの』だと勘違いしそうな予感がする。その時読み返したい」
『逢沢りく』ほしよりこ
文藝春秋 各660円 上下巻
◆「七月七日」(『さようなら女達』収録)大島弓子
第二次世界大戦下の日本、美しく風変わりな義母と暮らすつづみ。つづみは、血の繋がりのない義母を独占したいほど愛しているが……。
「母といえばまず最初に思い出す短編。男の子は父殺しをして成長するというが、女の子は母の秘密を知って大人になり、母とは違う人生を歩むのかもしれない」
「七月七日」(『さようなら女達』収録)大島弓子
白泉社 669円 ※電子書籍のみ
2023.09.15(金)
Text=CREA編集部