この記事の連載

分かち合える友が一人でもいれば幸せ

禅語「一箇半箇(いっこはんこ)

「SNSで情報を拡散!」というようなフレーズを見聞きすることがありますが「一箇半箇」の教えは、この真逆かもしれません。この禅語は、曹洞宗の宗祖である道元禅師が天童如浄禅師から教示された言葉です。数の問題ではなく、極めて少数希少で、得難い人物のことを指しています。誰かれ構わず多くの人に伝えるのではなく、たとえ一人でもいいから正しく伝える。コミュニケーションツールが多様化する現代では、「いいね」の多さに一喜一憂することがあるかもしれませんが、「一箇半箇」に立ち戻れば、無理をしてまで人間関係を広げる必要がないことに気付けるはずです。多くの友人を持つより、本当に思いやれる友人が一人でも二人でもいれば、十分。意図しない内容が広がってしまうのならば、少なくても正しく伝わることのほうが重要。ライナスが大切にしている毛布の半分をチャーリー・ブラウンに渡すこのコミックの場合は、まさにそれを表しているようです。

心をととのえるスヌーピー 悩みが消えていく禅の言葉

定価 1,430円(税込)
光文社
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2023.06.02(金)
著者=チャールズ・M・シュルツ
監修=枡野 俊明
翻訳=谷川 俊太郎