島の長老は、バンヤンツリーの大樹

 ガイドさんによると、1年半ほど前からローカルで人気が高まってきたそう。コタキナバルから行く離島というと、これまではトゥンク・アブドゥル・ラーマン海洋公園がもっぱらでしたが、コロナ禍中に新たなる選択肢が加わっていました。

 桟橋からボートに乗り込み、島が近づいてくると、期待度も上がってきます。ディナワン島は、大きなディナワン・ベサルと小さなディナワン・クチルの2つの島からなります。

 滞在の拠点となるのは、ディナワン・ベサル。ボートが到着する桟橋の脇には、浅瀬に浸かった白いブランコや木々の間に渡したハンモックなどがあり、SNSを意識した設備もばっちりです。

 キビ色のビーチで縁取られた島は、内陸は熱帯植物で覆われ、最も高い地点でも73メートルと、平坦な島です。

 上陸すると、ダイニングエリアやパブリックのシャワー&着替え施設などがあります。少し進んだところにあるのが、この島のシンボルツリーのバンヤンツリーの大樹。

 樹高は約12メートル、幹回りは大人10人が手をつないだくらいでしょうか。見上げると、不思議と安心感が伝わってきます。この樹木は第一次世界大戦の頃から人々の心の支えだったとか。地元で“アラの木”と呼ばれているそう。

2023.04.22(土)
文・撮影=古関千恵子