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香港では“コンビニより多い”と言われているほどポピュラーな『茶餐廳』

「『茶餐廳』は、香港では“コンビニより多い”と言われているほどポピュラーで、大衆食堂×ファミレス×カフェとでもいうような営業スタイルが特徴です。タイル張りの床、特徴的なボックス席、テーブルの上のガラスに挟み込まれたメニュー表というのが伝統スタイル。近年は内装を若者向けにした『茶餐廳』も出てきていますが、私たちは昔ながらのスタイルにこだわっています。もうひとつの特徴は、本場の『茶餐廳』の多くはランチタイム後のクローズはなく通し営業をしていること。香港人は朝・昼・晩と通い詰めることもよくあるので、当店も現地のスタイルを採用しているんですよ」(張旻偉さん、以下同)

 香港人にとっては“第二の食卓”とでも呼ぶべきオープンな存在として、古くから愛されていたわけですね。

食べやすいのに未体験、絶品「茶餐廳」料理の数々

 ここからは「香港贊記茶餐廳 飯田橋店」が提供する絶品料理の数々を見ていきましょう(以下、価格は取材当時のもの)。

●「牛バラ大根煮込みライス」(1,300円)

 まず紹介するのは、しっかりと食事を取りたい方におすすめのこちら。牛バラ肉と味がしっかりと染みた大根の煮込みがかかった、ワンプレートのご飯物です。

 特徴は何と言ってもジューシーかつ肉厚な牛バラ塊肉の煮込み。八角の風味がほのかに効いた醤油味のあんかけと、旨みの詰まった牛バラ塊肉をご飯と一緒にいただけば、きっとお腹も心も満たされるはずです。

 一見するとかなり濃い味に思えるかもしれませんが、張さんいわく「香港料理は薄味だから見た目より食べやすいですよ」とのことで、さっぱりと食べられるのが魅力。ランチメニューで注文すれば、なんと900円で食べられるので、狙うならお昼時がおすすめです。

2023.03.10(金)
文=TND幽介(A4studio)
撮影=平松市聖