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●「香港チキンカレーライス」(1,200円)

 次もお腹をしっかり満たしてくれるメニューです。香港ではこうしたワンプレートご飯料理を「碟頭飯(ディッタウファン)」と呼ぶそうで、お店のご飯ものメニューはすべてこの「碟頭飯(ディッタウファン)」になるそうです。

 なかでもこちらは常連さんが愛してやまない一品とのことで、カリッと揚げてざく切りにした大ぶりの鳥唐揚げが具材のカレーライスとなっています。その味は懐かしい日本式カレーの風味と、タイカレー的なココナッツミルク風の甘さとさわやかさが同居したなんともクセになる味わい。

 ちなみにこのお料理は5種類のソースから選べるようになっており、このカレーはあくまで5種のなかのひとつのソースという扱いなんだとか。ほかには「塩ガーリック」、「ブラックペッパー」、「ネギ油」、「サテー」(ピーナッツ、にんにく、唐辛子、エビなどを合わせた東南アジア式の甘辛たれ)から選べるので、ほかのソースもぜひお試しあれ。こちらもランチタイムは900円で食べられます(ソースを選べるのはランチ限定)。

●「牛肉焼きフォー」(1,350円)

 次は日本では珍しい麺料理で、ベトナム料理などでよく使われる米粉の麺“フォー”を使ったメニュー。実は香港でもフォーはよく使われる麺だそうですが、たいていは汁物に使われることが多く、それを焼きそばにしていただく本品のような料理は「茶餐廳」では定番ですが、日本の中華料理屋ではあまりないものなのだとか。

 中国醤油の香ばしさとオイスターソースのコク深い味わい、シャキシャキとしたもやしとニラの歯ごたえ、プリプリ食感の牛肉。そして、炒めることでモチッとした食感になったフォー。見た目以上にさっぱりといただけるのも嬉しい新感覚の麺料理でした。

2023.03.10(金)
文=TND幽介(A4studio)
撮影=平松市聖