この記事の連載

 映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』でヒロインに片想いするクラスメイトを演じた板垣李光人。そのキャリアを振り返る【後篇】では、新作についてはもちろん、3度目となる大河ドラマへの意気込みや今後の展望や希望について語っていただきました。


●「どうする家康」で3度目の大河ドラマ出演

――「ここは今から倫理です。」と同じく、2021年に放送されたNHKドラマといえば、大河ドラマ「青天を衝け」。ここでは徳川昭武役を演じられました。

 その前にも「花燃ゆ」(15年)で吉田松陰の幼少期をやらせていただいているんですが、その頃は役者の仕事を始めたばかりということもあって、大河ドラマのスゴさみたいなものを分かっていませんでした。改めて、「青天を衝け」で大河の現場に入ってみて、独特な緊張感や空気感に気付きました。また、実在した人物を史実に基づいて演じることの面白さと難しさがあるので、それをリスペクトしながらどう演じていくか、ということを課題にしていました。

――ちなみに、今年の大河ドラマ「どうする家康」では井伊直政役を演じられますが、「青天を衝け」との違いはありますか?

 まだ数回しか現場に参加していませんが、松本(潤)さんが徳川家康の家臣団の空気感をどこかラフというか、あまり気負わないよう作ってくださっているような気がしました。撮影前にも松本さんが「好きにやっていいよ」って言ってくださいましたし。「青天を衝け」の後に、たくさんの作品をやらせてもらった経験も大きいでしょうし、「青天を衝け」のときより緊張せずにやっています。役柄的にも「ちょっと暴れてやろうかな?」という気持ちですね(笑)。

2023.03.03(金)
文=くれい響
写真=榎本麻美
ヘアメイク=KATO(TRON)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)