この記事の連載

●楽しみながら演じた「silent」

――また、社会現象を起こした「silent」では川口春奈さん演じる姉思いの弟・光役を演じられました。周囲の反応は?

 最初に台本を読んだときに「素敵な作品だなぁ」とは思いましたが、「こんな社会現象になるとは!」という感じです。どの現場に行っても、いろんな方が「silent」の話をしてくださるので、本当に素敵な作品に関わらせていただいたんだな、と思っています。僕は一人っ子なので、どちらかというと、お兄ちゃんかお姉ちゃんが欲しかったんです。だから、現場では川口さん相手に、楽しみながら演じていましたね。

――最新出演映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』では、畑芽育さん演じるヒロイン・真綾に思いを寄せる手塚颯馬を演じられました。

 今まで胸キュンな学園作品に出たことがなかったので、お話をいただいたときは「やっとか!」という思いがしました。その反面で、「自分が出て大丈夫なのか?」という不安も結構あったんです。その頃、どちらかというと重い作品に続けて出ていたこともあり、作品のテイストがガラッと変わることで、「自分がそこに合わせられるか?」という。役柄的には、手塚の真綾に対する想いは強くても、それは一方的で真綾は振り向いてくれない。千輝のライバルとは言いにくいので、いわゆる三角関係モノとしては特殊な設定ですけど、そこを軽くなく、重くもないよう演じることに気をつけました。

2023.03.03(金)
文=くれい響
写真=榎本麻美
ヘアメイク=KATO(TRON)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)