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早朝のウォーキングで大地の熱いエネルギーを全身に

 翌朝は少し早起きし、今回のお目当ての一つでもあったアクティビティへ向かいます。早朝の澄んだ空気の中、ガイドと共に雲仙地獄を1周する「雲仙地獄パワーウォーク」です。このための専用衣装と地下足袋、さらには杖も用意されており、ひそかに気合が入ります。

 パワーウォークの特徴は、深い呼吸を意識しながら、普段よりも早足で全身を使ってウォーキングを行うこと。時には目の前が真っ白になるほど噴気が立ち込め、歩くほどに地下足袋を通して地熱が足の裏に伝わってきます。雲仙地獄に直接触れ、そのエネルギーを全身に取り込んでいる感覚になります。

 遊歩道のところどころには、最も噴気の激しい場所「大叫喚地獄」や、噴気で盛り上げられた土が独特な景観を見せる「泥火山」など、雲仙地獄の見どころも待っています。雲仙地獄のエネルギー源は、橘湾の海底のマグマ溜りだとか。そんな地球の神秘も間近に感じらるひとときです。

 パワーウォークでは簡単なストレッチやエクササイズも用意されています。中には「雲仙の鬼を退治するつもりで大声を出しましょう」などというエクササイズも。人影もほとんどない雲仙地獄で思い切り体を伸ばしたり、杖を両手に声を上げたりしていると、朝の体が次第に目覚めていくのが分かります。

 ウォーキングの最後は、「旧八万地獄」にある広場でストレッチやヨガを行い、体を整えます。旧八万地獄は噴出活動を休止していますが、現在でも地熱は残っており、地面に直接寝転ぶとほんのり温かさを感じます。広い空を見上げながら体を伸ばしているうちに、雲仙地獄が放つ大地のパワーが体内へと伝わり、心身に活力が満ちてくるよう。まさに非日常の体験です。

 パワーウォークで心身を整えたら、宿に戻って朝食を。12時のチェックアウトまで、もう一度温泉につかったり、お土産物を選んだりしてゆっくり過ごすのもいいかも。そんなことを考えながら歩いていたら、地熱が伝わる場所を見つけてうたた寝をするネコたちを見かけました。ネコの町としても知られる雲仙は、地獄といえどネコたちにとっては天国に違いありません。

 雲仙地獄のパワーを全身で感じ、異国情緒あふれる長崎の文化に触れる「界 雲仙」。界ブランドでは、九州・山口エリアの界全6施設で湯めぐりを楽しむ「界の九州周遊旅」も用意しています。宿泊施設の最寄りの空港までの航空券と複数の界施設の宿泊予約が一度にでき、手軽に旅の計画が立てられるプランです。

 オプションのレンタカーを組み合わせれば、移動中の楽しみもいっそう豊かに。ご当地感あふれるそれぞれの界を巡りながら、日本有数の温泉地、九州・山口エリアの魅力を満喫しませんか?

界 雲仙

長崎県雲仙市小浜町雲仙321
電話番号 050-3134-8092(界予約センター)
宿泊料金
◆1泊25,000円~(1室2名利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付)
客室数 51室
チェックイン 15:00/チェックアウト 12:00
アクセス 車:長崎空港より約90分、電車:JR諫早駅より約60分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiunzen/

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Column

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2023.01.12(木)
文=張替裕子(ジラフ)
撮影=橋本 篤