この記事の連載
- ヨコハマ温故知新 #1
- ヨコハマ温故知新 #2
思わず写真に撮りたくなる、西洋館をぶらりぶらり
公園エリアの丘の上には西洋館も点在しているので、ふらっと歩くだけで、“古き良き横浜”をたっぷり感じられます。その異国情緒漂う景観を被写体に、優雅に絵を描く人たちの姿もあちらこちらに。
なかでも人気を集めているのが、現存する戦前の山手外国人住宅最大規模の「ベーリック・ホール」です。
1930年にイギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として、J.H.モーガンの設計により建てられたもので、スパニッシュスタイルを基調とした外観だけでなく、タイル張りの床やキュートな形の窓など、遊び心のあるインテリアも見どころ。
広々としたリビングルームがある1階では、食堂、配膳室、台所を。2階にあがれば、令息寝室、客用寝室、主人寝室、夫人寝室、浴室を見学することができます。木造2階建てで、地下1階まであるのだそう。
ユニークなフォルムの小窓、幾何学模様の色タイル、繊細なアイアンワークなど、ディティールがフォトジェニックで見ていて飽きません。
現在は、成長した周りの樹木が大きくなって海までは見えませんが、創建当時は港が一望できるサンポーチだったかもしれません。夫人はここで海を眺めながら遠い故郷に思いを馳せていたのかも……なんて妄想も。
当時としては画期的な意匠が随所に取り入れられ、新鮮でありながらノスタルジックな趣を醸し出している「ベーリック・ホール」。せっかくですから、周辺の西洋館にも足を運んで歩き疲れたころ、SNSで話題の山手のカフェへ行ってみましょう。
ベーリック・ホール (旧ベリック邸)
所在地 神奈川県横浜市中区山手町72
電話番号 045-663-5685
営業時間 9:30~17:00
定休日 第2水曜(祝日の場合は翌日休館)、年末年始
2022.12.21(水)
文=大嶋律子(giraffe)