LOVE:フライドチキン&ビスケット
フライドチキン&ワッフルに続き、出会ったのは……
ホノルル|キス・マイ・グリッツ
前回、ワッフルにフライドチキンがのり、さらにハニーバターソースまでかかった素晴らしい南部料理をご紹介した。その感動もつかの間、次の出会いが待っていた。それはハワイ大学に近い場所にある「キス・マイ・グリッツ」なるお店。駐車場の奥にあり、路面ではないが、人気店だそうで混み合っている。
お店はきれいな水色のギンガムチェックを基調にし、アメコミから飛び出してきたようなかわいい女の子の絵がトレードマーク。まるでおままごとのようにとってもラブリーな店舗なのだが、油断してはならない。ここはフライドチキンが名物の、そう、アメリカ南部料理レストラン!
フライドチキンのバリエーションが並ぶメニューをうっとりとめくっていると、「The Dixie Chicken」というワードに目が止まった。説明を読み込むうちに衝撃が走る。私のいい加減な英語力が正しければ、フライドチキンにビスケット? 卵? むむむ? というわけで、「これくださーい!」である。よくわからずに注文するのは旅の醍醐味。しかし、これは期待が高まる。
登場した料理に目を疑った。ビスケットはつまりKFC(ケンタッキーフライドチキン)のビスケット。スコーンみたいなかんじのあれだ。そこにフライドチキンが挟まり、卵焼きとベーコンまであふれているではないか! どこからどう手をつけていいのか迷う……嫌いじゃない展開!
ビスケットは日本のKFCのものみたいにふかふかなだけではない。もっと素朴でざっくりとしている。しかし、粉にしっかりと火を通したおいしさがある。フライドチキンは、ここに挟まる場合に限り、やわらかい部位(多分ササミ)を使い、かたすぎないようやや薄揚げにしているようだ。なんという気配りだろう。そして卵は日本の卵系バーガーのように黄身とろりを重視するのではなく、目玉焼きを崩したような、これも素朴な感じがとてもいいのだ。ベーコンとチーズっぽいソースも入っていて、味のポイントになっている。
ぎゅーっと抑えて全体をかじったり、ビスケットやチキンをちょいと単体で味わってみたり、食べにくいながらもテンションが上がる。ジャンクなようで、それぞれちゃんと手作りして重ねているので、優しさもある。なんたる多幸感!
2013.11.27(水)