この記事の連載

志田未来さん[女優]

Q1:最愛の一作

『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)

 やっぱり、これしかないです。初めて読んだ小学生のときから、ずっと欠かさず読み続けています。とにかく熱い物語に何度も泣かされました! 伏線の回収も天才的だし、何度も何度も読み返しています。読み重ねて内容が分かっていても、同じところで泣けるマンガはONE PIECEだけです。自分を犠牲にしても大切な仲間のために! という、みんなの気持ちがカッコよすぎます。

Q2:マンガを読むスタイルは?

 基本的には紙派でしたが、持ち運びが大変なので、最近は電子版で読むことが多くなりました。外出時の待ち時間、仕事の空き時間、移動中の楽しみになっています。空き時間を充実した時間にするための必須アイテムです。

Q3:夜ふかしマンガ大賞に推薦した作品とその理由

『海が走るエンドロール』(たらちねジョン/秋田書店)

 65才という年齢なんて関係なく、映画を撮る道を選択をした女性の「夢」を追いかける姿に勇気をもらえて応援したくなる作品です。「こうあるべき」という凝り固まった考え方が柔軟になります。台詞一つひとつが力強くて、絵がとても繊細できれいで、どのページも美しいです。

『ちいかわ なんかちいさくてかわいいやつ』(ナガノ/講談社)

 小さくてかわいい姿からは想像もできない奇妙でときに残酷な世界観の虜になりました。多くを語らない登場人物の言動から、“ちいかわ”たちが生きる世界を考察していくのも面白さの一つです。とにかくかわいすぎるー! 見るたびに癒やされます。

『あたしゃ川尻こだまだよ』(川尻こだま/KADOKAWA)

 みんな、お家での過ごし方ってこうでしょ!? といったダラけた生活に共感しまくりの一冊。身体を壊しそうでいけないと分かっていても、真似してみたいことが詰まっています(笑)

Q4:各部門への推薦作品とその理由

●家族部門

『わたしは家族がわからない』(やまもとりえ/KADOKAWA)

 「普通」にしがみついているけど、その「普通」すらも分からなくなり、家族の在り方について考えさせられる作品でした。人によって受け取り方が変わってくるマンガだと思うので、どこの場面でどう思ったかを家族と語り合いたくなります。

●コッソリ部門

『あなたがしてくれなくても』(ハルノ晴/双葉社)

 夫婦の在り方を問う作品で、ただ好きなだけじゃ一緒にいられない絶妙なバランスが大事だと思わされます。個々でいる方が自分らしくいられるのに、同じ方向に頑張っていかないと成立しない関係性って特殊だし、相手に甘えてばかりだと気づいたときには失っているものが大きいと、ガツンと衝撃がきます。

志田未来(しだ・みらい)
女優

主演ドラマ「14才の母」で脚光を浴び、映画『誰も守ってくれない』等で数々の賞を受賞。出演作多数。11月4日から全国公開予定の映画『窓辺にて』に出演。

2022.12.12(月)
Text=Ritsuko Oshima(Giraffe)

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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