ふっくらジューシーなお肉は、ビールが恋しくなる味

フライドチキンにはやっぱりビール!

 メニューに並ぶのは、フライドチキンにグリルドチキンにチキンサンドイッチ……とチキン尽くし。サイドメニューには、フライドバナナ(甘くないバナナの揚げ物で、中米でメジャーな料理)や、ユカ芋のフレンチフライなど、中米らしいものが並ぶ。店内には、サルサソースやケチャップが自由に使えるトッピングコーナーもあって、なんだか楽しい。

 スペイン語はまったく分からない私が、指差しでオーダーしたのは、フライドポテトとチキン3ピースのセットメニュー。期待を胸にフライドチキンにかぶりつくと……お、おいしい! 柔らかくて、ほどよい脂身があって、皮をパリッと揚げたお肉はなんともジューシー。これなら軽く3ピースはいけちゃう。

店の前に停まっていたGALLOビールのトラック。こちらもグアテマラを代表する飲み物

 個人的にこの店が素晴らしいと思ったのは、ビールがメニューにあること。ビールはもちろん、国産の「GALLO(ガヨ)」。麦やホップは強くはないが、グアテマラの空のごとく爽やかなテイストで、これがまたフライドチキンにぴったりなのだ。ビール名は日本語で雄鶏のこと。この国の人は、よほど鶏が好きなんだろうなあ。

 価格は市場の食堂に比べると数倍高く、レストランより格段に安い。そして、某米国系チェーン店に勝るおいしさ。お店のスタッフも、スマイルたっぷりで愛想がいい。そんなポヨ・キャンペーロは、休日ともなると、美しい民族衣装をまとったマヤの人たちや混血の人たちで、おおいに賑わう。そんな雰囲気も大好きで、グアテマラ共和国を再訪するときは、ぜひまた、この国民食を食べたいなあと思っている。

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点マカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。www.serizawa.cn

Column

トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!

2013.10.08(火)
text & photographs:Kazumi Serizawa