南部の美術館エリアは自然美も見どころ
この家並みには一定のルールがあるようです。建築作品でもあるThe Naoshima Plan「水」の展示によると、本村の建物は、太陽の動きに合わせた東西の配置で、島の風向きに合わせて、風が抜けるように南北に“続き間”や“縁”、“庭”を設けるレイアウトなのだそうです。生活の知恵ですね。
南部の美術館エリアは、日本で最初の国立公園に指定された自然美あふれる中に、「地中美術館」や「杉本博司ギャラリー 時の回廊」など美術館が点在しています。
安藤忠雄が設計した「地中美術館」は、展示室へ向かうまでの道のりもアート。島の景観を損なわないよう、ほとんどが地下に形成されている建物です。けれど、そうとは気づかないのは自然光が差し込んでいるから。
館内のウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノー・タイム」という作品は、どう見ても扉よりも大きな作品。近くにいるスタッフに聞いてみると、作品を配置したのちに建築を仕上げたのだとか。発想がダイナミックです。
そして、この作品上の天井には太陽の道のごとく、光が差す長方形のスペースが東西に走っています。ふと、本村の家屋の東西の配置を思い浮かべました。人と太陽の関係、つながっていますね。
島内の作品の一部(美術館外も含め)は著作権上、ここで紹介ができないものも。ぜひご自身でアートを感じに訪れてみてください。
直島
●アクセス 高松空港からリムジンバスで「高松駅/フェリー乗り場」へ約45分。高松港からフェリーの場合約1時間、高速客船なら約30分。また岡山県の宇野港からは15~20分。
●おすすめステイ先 ろ霞
https://roka.voyage/
Column
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2022.07.30(土)
文・撮影=古関千恵子