近年、北海道のワインに注目が集まっている。既に知られている空知や十勝だけではなく、西に南に新風が吹いているのだ。
たとえば2011年、余市郡の一部が「ワイン特区」に認定されて以降、この地に続々とワイナリーが立ち上げられ、それにつられるように、新しいバーや話題のレストラン、オーベルジュなどがオープンしている。
今回は北海道のワインが楽しめるホテル・宿泊施設をご案内。
見渡す限りのブドウ畑。この圧倒的なスケール感は国内で無二の大地だからこそ。この地で育まれるワインと滋味深い美味に酔い、心も体も解き放たれる旅へ。
余市・仁木を一望できる眺望抜群のヒルトップ宿
◆NIKI Hills Winery(ニキヒルズワイナリー)
![調度品のみならず、部屋からの眺望までも上質。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/1280wm/img_e1e2e25a293518ca865530f2cfa9cc95125270.jpg)
ヒルトップからブドウ畑越しに余市湾までを一望する。海から丘の上までそよいでくる緑風が心地よい。
各室の窓枠サイズで切り取られた眺望は、「ニキヒルズワイナリー」だけのパノラマだ。
![33ヘクタールのブドウ畑に圧倒される。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/f/1280wm/img_8fa11f42df8b915b68cd39a5006d38ae194544.jpg)
敷地面積は33ヘクタール。ネイチャートレッキングツアーで、仁木の自然林に分け入れば心身が浄化される。
![館内地下には秘蔵のセラーも。ワイナリーツアーで目の当たりにできる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/1280wm/img_bee7eb544697ef221e44a9ed69510921137742.jpg)
地下の醸造施設やセラーを巡る、プライベートワイナリーツアーで樽やタンクを目の当たりにすればワインにまつわる知が充填される。
![同じく館内地下にある醸造所で仕込まれた「ニキヒルズワイナリー」のワイン。左からシグネチャー“HATSUYUKI”のスパークリングとスティルワイン。右は世界最大級の国際ワインコンテストで日本初の金賞を受賞した“YUHZOME”。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/1280wm/img_658c27006087400bad70d6c24602963f105896.jpg)
食事とのペアリングも研ぎ澄まされている。
![ソイの昆布締めのロティに皮目はアーモンドのクルート、ソースはローズマリー香るポレンタ。永井尚樹シェフのコース料理にメニュー名はないが、モチーフはある。謎解きは食事の際に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/f/1280wm/img_0f430f49680d47fdc31ef2ebb78930d197510.jpg)
館外不出の特別なヴィンテージワインとともに、仁木周辺の地場産野菜や余市湾の魚介などを繊細な感性と技術で組み立てた料理が供される。
![地下のカーヴの一角に設けられたレストラン。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/1280wm/img_f64b0983b5c953f9afca0b6aa3b8dcbb110567.jpg)
静謐なラウンジで、ペアリングの妙に耽溺するディナーを満喫するか、地下のカーヴに漂うワイン樽の香りを、物語性豊かな料理と結びつけるか。
![夏畑の情景に地場産の野菜を盛り込んだフラン仕立て。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/d/1280wm/img_bdf611a6bd7a2094484bf5a6380d54df134529.jpg)
日中のテラスなら、ブドウ畑の薫風までも含めた、ペアリングも魅惑的。
![道産牛の“星空の黒牛”。ロッシーニ風を新解釈した一皿。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/1280wm/img_c893ae537c35c0539ef86f5c05fd5ab0205948.jpg)
一泊ですべてが堪能できる、豪奢なワイナリー。仁木にはここでしか味わうことのできない、丘の上がある。
![ワイナリー入口。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/4/1280wm/img_8461c6e408cd39e4aa7d30f8a962b36d223471.jpg)
NIKI Hills Winery(ニキヒルズワイナリー)
所在地 北海道余市郡仁木町旭台148-1
電話番号 0135-32-3801
営業時間 10:00~16:00(テイスティング 15:30 L.O.)
定休日 不定休
※試飲メニュー各種グラスワイン 770円~ 3種の飲み比べセット 2,200円~。
宿泊料金(1室) 60,500円~(1室2名利用、2食、ディナーペアリング、ボトルワイン1本付き)
https://www.nikihills.net/
2022.07.21(木)
Text=Tatsuya Matsuura(babakikaku)
Photographs=Takashi Shimizu
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。