CREA Traveller 2022 vol.3の特集は、「テロワールを訪ねて」。
日本には、その土地を訪れなければ出合うことのない美味や風景、文化があります。その風土だからこそ育まれた“土地の恵み・テロワール”は多彩で趣深いもの。唯一無二の味に出合う旅へ、ご招待。
CREA Traveller 2022 vol.3
日本のワインとご馳走に心躍る テロワールを訪ねて
特別定価1,500円
CREA WEBでは、CREA Traveller 2022 vol.3のコンテンツの一部を大公開します!
美味しいワインが生まれる場所には、そのワインの魅力を知り尽くした料理人が腕を振るう店がある。
山梨の食材とワインとのマリアージュを心ゆくまで楽しめる、独自のスタイルを持った料理店を訪ねた。
» 山梨ワインを自宅でも! おすすめリカーショップを見る(7/18公開)
八ヶ岳の大自然の中でのびのびと育った生ハム
◆Prosciutteria Morimoto(プロシュッテリア モリモト)

「プロシュッテリア モリモト」のオーナーシェフで生ハム職人の森本慎治さんは、神奈川県から山梨県に移住して約20年。

清里でイタリア料理店を営みながら2009年に生ハム作りを始めた。数々の失敗も経験し、試行錯誤を重ねて、納得のいく完全無添加のオリジナル生ハムが完成したのは'15年頃。'18年に現在の大泉に移った。

貯蔵庫の周りの森や林、裏を流れる川、冬に吹く冷たく乾燥した“八ヶ岳おろし”。
生ハムの熟成は、最終的には、八ヶ岳の自然と微生物の力に委ねられる。その年の気候や肉の個体差でも味わいは微妙に変わり、それを個性として楽しむのも完全無添加生ハムの魅力だ。

森本さんの生ハム同様、自然をそのまま封じ込めたような魅力をもつ山梨のナチュールワインにも出合い、料理とともに提供を始めている。

「最近、ハムの香りや味わいに深みが増しました。貯蔵庫に良質な菌が確実に増えているのを感じます」(森本さん)

のびのび育った生ハムは、優しい味わいでクリーミー、そしてフレッシュ。今後は長期熟成の生ハムも楽しみだ。

Recommended Bottles
〈左〉抜群の安定感があり、長年提供している定番「シキシマ 甲斐ノワール 2017」(敷島醸造)。
〈中〉森本さんが甲州種の美味しさに目覚めたワイン「K21FY_DD」(甲州/共栄堂)。「乳酸菌飲料を思わせるような爽やかな酸味があります。毎年、かなり味が変化するというナチュールならではの面白さも魅力です」。
〈右〉「入手困難ですが美味しさは別格ですね」(森本さん)という「ツガネ ラ・モンターニュ 2007」(メルロー/ボー・ペイサージュ)。
Prosciutteria Morimoto(プロシュッテリア モリモト)
所在地 山梨県北杜市大泉町西井出8240-3178
電話番号 080-7428-2966
営業時間 11:30~13:00 L.O.(12:00最終入店)、17:30~20:00 L.O.(21:00閉店)
※食事、生ハム購入ともに要予約。11月~3月は生ハムの販売とワークショップのみ。グラスワイン 900円~、ボトルワイン 4,000円~。
定休日 日・月・火曜
https://morimoto-mt8.com/
2022.07.15(金)
Text=Motoko Saito
Photographs=Takashi Shimizu、Wataru Sato、Nanae Suzuki
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。