センスのいい知人の別荘で過ごすように
●山荘わらび野
![設計は、新進気鋭の建築家、植原雄一氏に依頼。広大な自然に建物を纏わせるように、目線や境界線をあえて曖昧に、フラットにした。モダンが自然と溶け込んでいく。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/4/1280wm/img_c4a15c4880b1b1b5fec706ef599b38fd244607.jpg)
現代アートがさりげなく飾られた、モダンシックなインテリア。眺めのいい部屋の露天風呂に浸かりながら「こんなところで暮らせたら」と、しばし夢想する。
![源泉かけ流しの温泉が湧くお風呂。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/f/1280wm/img_3f103a60767262514cb4bf48cf851d45103727.jpg)
![リビングと寝室は別部屋に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/1280wm/img_8ae4404aaa7b1cac5e273420766c3d24166525.jpg)
そう、この深く穏やかな憩いは旅館というより、センスのいい知人の別荘で過ごす感覚に近い。
![敷地内にある7棟のうち2棟はメゾネットタイプ。2階は小さな部屋と地続きに露天風呂とテラスが設えられ、昼間は明るい森、夜は瞬く星の眺めをひとり占めできる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/1280wm/img_867de3b2e1fe9a7ea4300bb50bdd2186156073.jpg)
「おもてなしが過ぎると、変に疲れることってありますよね。非日常やエンタテインメントはいらない。あくまでも日常の延長線上にある宿にしたいなと」。さらりとした笑顔で答えるのは、支配人の高田さん。
![人が奏でるざわめきや、スタッフがきびきびと働くムードが好きという高田さん。レストラン棟はホールをあえて大きくした。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/1280wm/img_f61b6474a932bc8d1674b8cbb4069687488167.jpg)
![雑多な植物も粋。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/1280wm/img_00e9ed79cf3837b489bcd7ad048b1ac1342294.jpg)
創業は1988年、“湯布院の新御三家”と呼ばれる人気旅館が、熊本地震によって被災。休業を余儀なくされたものの、満を持して2019年フルリニューアルした。
![フロント棟には売店、夜はバーになるラウンジが2階に併設されている。随所に飾られている現代アートは、高田さんがコレクションしてきた作品。また各部屋は六本木のYutaka Kikutake Galleryに協力を仰いだ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/1280wm/img_c117c64355a7261d77e54663e232f94f127076.jpg)
この“新生わらび野”を一から作り上げたのは、当時30代の高田さん率いる同世代のクリエイターたち。老舗ゆえの安定感は保ちながらも、印象的な石造りの建物をはじめ、新しい空気や息吹も随所に感じられる。由布院の未来をつなぐ、期待の宿と言えるだろう。
![滋味深さとモダン、素材で優しい味わいがすっと立ち現れる料理。朝は美しい光のなか自家米と野菜ふんだんの和定食を。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/1280wm/img_6e3c5b75e94791b2d36eba1b2e4d9b23205781.jpg)
山荘わらび野
所在地 大分県由布市湯布院町川北952-1
電話番号 0977-85-2100
宿泊料金
◆1室1名利用時の1名最低料金 (平日)55,000円~(休前日)60,500円~
◆1室2名利用時の1名最低料金 (平日)38,000円~(休前日)41,800円~
ひとり対応 通年
客室数 13室
食事 夕:食事処/朝:食事処
チェックイン 15:00/チェックアウト 12:00
アクセス JR由布院駅より送迎あり(要予約)
http://www.warabino.net/
●Wi-Fiあり
●推薦してくれたのは……
山村光春さん[編集者・ライター]
※宿泊料金、料理などは、季節により変更になる場合があります。
※データは2022年5月24日現在のものです。
※1室1名利用時の1名最低料金、1室2名利用時の1名最低料金はいずれも1泊2食付き(税・サービス料込み価格、入湯税は別)を基本とします。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
2022.08.07(日)
Text=Mitsuharu Yamamura
Photographs=Tsugumi Meno
CREA 2022年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。