シドニーの街角でアート探しを楽しもう!

 世界遺産のシドニー・オペラ・ハウスをはじめ、オーストラリア博物館、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館、シドニー博物館、オーストラリア現代美術館(MCA)など、アートスポットが満載の街シドニー。さらに散策を楽しみながらユニークなアートに出会えるのも、この街ならではです。

 たとえば、高級ブランドショップやカフェ、レストランなどが軒を連ねるシティの目抜き通り、ジョージ・ストリート。そこから細い路地に入ってみると……。

 ビルの谷間に無数の鳥かごが浮かんでいます。こちらは、メルボルン生まれのアーティスト、マイケル・トーマス・ヒルさんによる作品で、そのタイトルは《FORGOTTEN SONGS(忘れられた歌)》。

 シドニーが今ような大都会となる以前、この場所で美しい歌声を聞かせてくれた鳥たちへ思いを馳せた作品です。

 このインスタレーションの制作にあたっては、オーストラリア博物館のメイジャー博士の協力のもと、実際にこの地の土壌を調査。ヨーロッパからの入植がはじまる以前の植生を推定したうえで、かつてここに暮らした鳥たちのリストを作成。鳥かごの下では、その鳴き声を聞くことができるのです。

 ちなみにシドニー市内の “街角アート” の情報を集めたウェブサイトもあるので、アート好きはぜひチェックしてみて。

 また、アート探しといえば、おしゃれエリアのパディントン。メインストリートのオックスフォード・ストリートには、店主のセンスが光るブティックやセレクトショップが並んでいます。

 その一角にあるのが、1860年代に建てられた建築が美しいパディントン貯水池庭園。

 小さな庭園内には、レンガ造りの美しいアーチが連なり、ニュー・サウス・ウェールズ州遺産にも登録されているそう。

 メジャーな観光名所ではありませんが、この界隈の散策を楽しむならぜひ立ち寄ってみたい、とっておきの “ひと休み” スポットです。

 さらに、アート好きなら足延ばして探索してみたいのが、パディントンのギャラリー地区。

 オックスフォード・ストリートから小道へ入ると閑静な高級住宅街が広がっていて、トランパー・パーク周辺にギャラリーが多く集まっています。

 コンテンポラリーアートを扱うギャラリーが中心で、お気に入り作品と邂逅できるかも!?

2022.06.22(水)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵
協力=オーストラリア政府観光局