TRIP 3. コアラもカンガルーも、ワクワク動物たちに会いたい!

オーストラリアを旅するなら、絶対に満喫したい感動のネイチャー体験。「本物のコアラやカンガルーに会える!」と思っただけで、気分が盛りあがります。
かつてアフリカや南極、南米、インドなどとともにゴンドワナ超大陸の一部だったオーストラリア。地球の巨大なメカニズムによって分裂し、南太平洋に浮かぶ大陸になったといいます。

そして、数億年もの歳月をかけて、世界のどこにもない独自の生態系を育んできたのです。
哺乳類、爬虫類、魚類をはじめ、オーストラリアに生息する生物の80~90%以上が固有種といわれ、そうした貴重な命を守るため、各地に “サンクチュアリ(自然保護区)” が設けられています。

今回訪ねたのは、ゴールド・コーストにある「カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリ」。野生動物の保護活動を行いながら、ふれあいの場も提供している自然保護区です。

約27ヘクタールの広大な敷地に暮らす生き物は、約100種。緑が生い茂る園内を散策しながら、観賞したり、ふれあったり……。半日いてもすべては見てまわれないほど、充実した体験が用意されています。

この自然保護区で圧倒的に人気なのが “コアラ抱っこ”。まさにオーストラリアでしか実現できない感動体験が、園内に入ってすぐに待っています。

飼育員さんのアドバイスを聞きながら、コアラをそっと胸に。もこもこしたコアラが身を寄せてくれて「もう……感激!」。
ちなみに、保護区のあるクイーンズランド州の法律では、1頭のコアラが抱っこされていいのは1日30分までと決まっているそうです。

そのほかにも、園内には会いたかった動物がそこかしこに。

その名も〈カンガルーカントリー〉には、のんびりくつろぐカンガルーが。だらだら寝そべっている様子が微笑ましくてたまりません。

近くで見ると、まつ毛がとても長い。初めて知りました。

餌やり体験も可能で、自分の手からムシャムシャ……。

また、2018年に登場した新エリア〈ロストバレー〉も必見です。

こちらは、オーストラリアがゴンドワナ超大陸の一部だった、数億年前の時代へと思いを馳せるエリア。アフリカや南極、南米、インド亜大陸など、分裂した各大陸に現在暮らしている生き物たちに会うことができます。

さらに、ペリカンやクロコダイル、イヌワシの生態を間近に見られるショーのほか、毎日8時と16時の2回行われる〈ロリキート・フィーディング〉も必体験。

開始時間が近づくと、野生のロリキート(ヒインコ)がどんどん集まってきます。そしてミルクの入ったお皿を手にすると……。

わーっとレインボーカラーのロリキートが群がってきて、頭の上にも! 衝撃的すぎて、コアラやカンガルーに会ったことも忘れてしまいそう。なお、鳥たちの爪は鋭いので、長袖での参加がおすすめです。

右:病院の前にはクレジットカードをかざすと募金ができるコーナーが。
そして、もうひとつ必ず立ち寄りたいのが、園内にある野生動物病院。
ケガや病気の野生動物を治療する施設で、これまでに受け入れた数はなんと約14万頭。コアラだけでも毎年約600頭を治療し、元気を取り戻したあとは自然へと帰されます。

実はこの自然保護区を支えているのが、多くのボランティアスタッフと、たくさんの人たちからの寄付。さらに保護区を訪れる人たちの入園料も大切な運営費となっています。
病院前に募金コーナーがあるほか、公式ウェブサイトからも寄付が可能です。
2022.06.20(月)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵
協力=オーストラリア政府観光局