予約必須! ここだけの“おいなりさん”コースに心癒される
「昼餉」の1皿目は「八菜(やさい)皿」。それぞれに調理された8種類の季節の野菜が出てきます。野菜は、周辺の箕面や能勢で採れたものがほとんど。みずみずしさと滋味深い味に心も身体も満たされます。
2皿目は「主菜椀」。これも野菜の一品。「肉や魚の料理にすると、いなり寿司の存在が弱くなってしまう」と考えてのこと。ソースも野菜でピュアな味わい。野菜本来のおいしさを堪能します。
3皿目が「いなり」。添えられたのは、海苔のお吸い物。優しい味わいのいなり寿司と澄んだ香り高い汁物。「苺」にはびっくりしますが、意外にも、とてもおいしい。おかわりしたくなるほどです。
コースの最後は「中国茶と菓」。細井さん自ら、中国茶について説明し、ゆったりとした所作でいれてくれます。
香りを楽しみ、一煎目を飲むうちに、熱々のクレープが運ばれてきます。手に持ってパクリ。自家製餡が入ったクレープはモチモチ。ほっこり、和みます。
ここだけの、おいなりさんをメインにしたコース。心癒やされるひとときでした。
「結」では「昼餉」だけでなく「喫茶」も予約制で楽しめます。取材時は、つるん、ぷるんとした食感の「二層の豆花」と中国茶、ひとくち米菓。冬には、白インゲンを使った「変わりぜんざい」も登場するそうで、季節の甘味にも細井さんのこだわりが感じられます。
中国茶と季節の甘味が楽しめる貴重なお店でもあります。
おいなりさんだけでなく、焼き菓子、おかきのテイクアウトもOK。小さな袋入りで販売されていて、リピーターも多いそう。
「ボーロ」は、きな粉とはったい粉(麦こがし)、黒糖を使用。香ばしく、ほろほろと口の中でほどけます。
「えん」は、米粉を使ったクッキー。カカオニブの香ばしさとアーモンドミルクのコクが特徴です。
「種子」は、自家製の小粒のおかきに、アーモンドや大豆、パンプキンシードといったナッツ類、マスカットレーズンやワイルドブルーベリーなどのドライフルーツが入っています。「おかきが香ばしくなったり、甘くなったり。食べながら芽吹いていくイメージ」と細井さん。
どれも止まらなくなるおいしさです。
「結の予約は、1日前までにメールで。いなりのテイクアウトは、予約なしでOKですが、電話で取り置きも可能です」と細井さん。
優しい味わいのおいなりさんにすっかり魅せられて、季節ごとに通ってしまいそうです。
「季節といなり 豆椿」
所在地 大阪府箕面市箕面5-10-11
電話番号 080-4989-0625
Instagram @mametsubaki_inari
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2022.05.15(日)
文・撮影=そおだよおこ