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よもぎ餅の専門店を見つけました。その名も「よもぎや」は、阪急電鉄箕面線牧落駅から箕面駅に向かって線路沿いを歩くこと、約6分。白い暖簾が揺れる、茶店のようなお店です。

店主・久林千恵美さんは、鹿児島県徳之島生まれ。
「島では、春にヨモギを摘んでよもぎ餅を作って食べます。たっぷりのヨモギと餅米、黒糖だけで作るフチムチは、島伝統のおやつです」とにっこり。

店の奥の工房で、よもぎ餅作りを見せていただきました。

材料は、国産の餅米と徳之島の黒糖(ザラメ)、そして、国産のヨモギ。餅米の半分量を入れるので、「箕面で暮らす自身の畑のヨモギを摘んで冷凍したものだけでは足りなくて」と久林さん。今も徳之島で暮らす友人が送ってくれる黒糖を使っているのも特徴。

餅つき器でつき上がったお餅は、濃くて鮮やかな緑色。餅取り粉に国産のきな粉を使うのは、「香ばしくて、おいしいから」と久林さん。お餅が柔らかいうちに、くるくる手早く丸めます。

続いて、北海道産小豆を使って甘さ控え目に炊き上げた餡を広げた餅生地にのせ、折り畳むように包んで、餡入りを仕上げます。1個1個丁寧に包装。できたてがお店に並びます。

「徳之島では餡なしなのですが、本土は小豆餡入りが一般的なので、両方を作っています。島出身の方が、懐かしいと遠方から訪ねてきてくださるんですよ」と久林さんはうれしそう。
2022.02.12(土)
取材・文=そおだよおこ