六甲八幡神社の西隣、たった7席の小さなカフェ
神戸の街の背景にそびえる六甲山は、明治の開港で神戸にやってきた外国人によって開かれました。山頂には牧場や植物園、人工スキー場などレジャースポットがたくさんあり、ドライブや夜景も楽しめます。その登山口として知られる阪急六甲駅周辺は、休日の散策にぴったりのエリア。というのは、近頃、お洒落なカフェや雑貨店、パン屋などが増えているからです。
そんな1軒が、阪急六甲駅の南、六甲八幡神社の西にある『お八つとお茶 いろは』。オープンは2012年10月1日。長坂悠里さんが営む、おやつとお茶の小さなお店です。
神社の西側の道沿いにあって、隠れ家のような目立たない外観。店内は、古い椅子が置かれていたり、振り子の柱時計が架かっていたり、どこか懐かしい昭和な雰囲気です。窓辺のカウンター席に座ると、境内の木々の緑が眺められて、ほっこり。あちこちに置かれた鹿のかわいいオブジェにも癒されます。
右:内観
ここでのおすすめは、和パフェ。「パフェが大好き」という長坂さんの自信作です。内容は季節によって変わり、今までに、リンゴ、カボチャ、サツマイモ、渋皮栗、イチゴ、甘夏ミカン、マンゴーと、開店以来、次々に創作してきたのだそう。
写真の「桃のパフェ」の中身は、桃のコンポート、桃あん、白胡麻ケーキ、シナモンクッキー、生姜のチュイール、ミルクアイス、白玉、黒蜜。コンポートとあんこで繊細な桃の持ち味を強調し、それを引き立てる風味の、ケーキやクッキー、チュイールを合わせています。和でも洋でもない、オリジナルのパフェ。ひと匙ごとに色々な味、食感が楽しめます。
「生クリームいっぱいのパフェは苦手。アイスクリームではなく乳脂肪分の少ないアイスミルクを使って、あっさり、さっぱりに仕上げています」。
さらに、長坂さんは、コンポート、ケーキを手作りするだけでなく、「カリカリやサクサクの食感があったら楽しいと思って」と、キャラメリゼしたクルミやシナモンクッキー、ゴマやショウガ風味のチュイールなども作って添えているのだそう。黒蜜も手作りして甘さを控え、素材の風味を活かしています。「パフェを楽しみに来てくださるファンもできました」と、長坂さんはうれしそう。季節を楽しむ大人のパフェです。
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2013.09.08(日)