宮本商店は、どうやら二勤交代制らしい
最初に立ち寄った宮本商店の前を通り過ぎると……。
さっきと違うネコがいる。
宮本商店は、どうやら二勤交代制らしい。
行きに出会った子が早番のカゲトラ(オス/推定6歳)で、帰り道にいた遅番は、シロ(オス/推定10歳)。
店内にはシロしかいなかったので、「すみませーん」と声を出してみると、店主の奥さま・宮本みえ子さんが2階から「はーい」と登場。
抱っこしているネコは、2階に住むチビ(メス/16歳)。
動きが素早くてブレてしまった……。
「カゲトラもシロも、近所で生まれて拾ったネコ。気がつけばお店の前にちょこんと座るようになってね。毎朝ネコたちと一緒に、駅に向かう人に『おはよう』『いってらっしゃい』と声をかけるの。だって、1日中近所の誰とも話さない人もいるでしょう?」
一度ネコと一緒に話しかけると、次からも自然とあいさつするようになる。
また、お店に子どもたちが遊びに来ると、カゲトラやチビに触らせて命の大切さを教える。
「地域の触れ合いを大切にしたいと思っているの。ネコたちと触れ合うことがきっかけで会話が生まれ、安全な町づくりにつながるんじゃないかってね」と、宮本さん。
これぞ“ネコミュニケーション”。
看板ネコたちが、地域の人たちの潤滑油になっているということを、実感した1日であった。
カゲトラとシロのいるお店「宮本商店」
住所 神奈川県横浜市西区平沼1-34-16
勤務時間 きまぐれの2勤交代制
マキとジュンのいるお店「クリーニングよしの」
住所 神奈川県横浜市西区平沼1-36-6
勤務時間 だいたいいる
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梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu
Column
梅津有希子の商店街ネコ探訪
大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。
2013.07.12(金)