●これまでにない瞬発力と気合いで、現場に向かった『国民の選択』
――水石さんの俳優人生において、『国民の選択』はどのような作品になりましたか?
映像の仕事では、これだけ難しい専門用語と長ゼリフを発したのは初めてでした。
舞台のように動きや演出を徹底的に作り込むことはなかったですが、役者同士のコミュニケーションが事前に取れていないと、会話のキャッチボールが難しい現場だったと思います。また、出演が決まってから撮影までの期間が短かったので瞬発力と気合いで現場に臨んだ作品も初めてかもしれません。
とても勉強になりました。
――どのような俳優になりたいか、今後の展望や目標について教えてください。
「キラメイジャー」での1年間は、デビュー当初から感じていたエンタテイメントの素晴らしさを目の当たりにしました。
テーマや芝居は作品ごとに違っても観てくださる方の心や人生にプラスになるようなものをもっとプレゼントできる俳優になりたいです。
そして「アジアを飛ぶ夢」を体現していきたい気持ちはあります。憧れは浅野忠信さんや高倉 健さんなんですが、いかんせん自分のタイプとは違うもので(笑)……。
水石亜飛夢(みずいし・あとむ)
1996年1月1日生まれ。神奈川県出身。12年、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズン」で俳優デビュー。その後、舞台・ドラマ・映画などで活躍。20年、ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」でキラメイブルー/押切時雨を演じ、お茶の間のヒーローとなる。現在、映画『哀愁しんでれら』が公開中。
映画『国民の選択』
20XX年、国会で原発を禁止する憲法案が発議され、原発の是非を問う国民投票の実施が決定。町議会議員・高橋明(妹尾青洸)は家族に賛成に投票するように指示。原発警備員の息子・敦(水石亜飛夢)も生活費のため、原発には賛成であったが、敦の婚約者・直子(泉はる)との間に新たな命を授かることが分かり、原発について疑問を抱くようになる。
https://www.kokumin-movie.com/
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©2021映画「国民の選択」製作委員会
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2021.03.12(金)
文=くれい 響
写真=末永裕樹