コロナ禍により、「キラメイジャー」撮影が中断されたときの率直な気持ち、最新主演映画『国民の選択』における新たな挑戦など、水石亜飛夢が赤裸々に語る。

●役柄と自分が近くなっていった「魔進戦隊キラメイジャー」

――2020年、スーパー戦隊シリーズ「魔進戦隊キラメイジャー」では、キラメイブルー/押切時雨役に抜擢されました。

 10代の頃から、ずっとオーディションを受け続けてきたのですが、年齢も重ねたからかどこかリラックスして受けられたことを覚えています。

 今思えばそれが良かったのかもしれません。押切時雨は剣術が得意な俳優という設定だったり、僕自身がクールに見られがちなところだったり(笑)

 そういういろんなものがタイミングよく上手くハマったのかもしれません。

――キラメイブルーとしての1年間で、いちばん学んだことは?

 「テニミュ」などでは「別人格になりきろう!」という思いが強かったんですが、自分が幼い頃になりたかったヒーロー「キラメイジャー」の1年間では役柄と自分がどんどん近くなったと思います。

 カメラ前では自分らしく、楽しく芝居させていただきましたしキャラも大きく変わりました。

 そして、視聴者の皆さんのレスポンスにより、ヒーローの偉大さやエンタテイメントの素晴らしさをひしひし感じました。

 そこは、これからの俳優人生でも、大きな強みになると思います。

●自分自身が、キラキラを忘れちゃいけない!

――コロナ禍という特殊な状況における撮影・放送で感じたことは?

 自粛期間のときに撮影が2カ月ストップし、「この先、放送を続けることができるのか?」という不安がありました。

 そんなときに、「『キラメイジャー』の存在に助けられています」という応援は本当に有難かったです。

 「キラキラ輝いて生きる人」が番組のテーマだったので、当の本人である僕が「それを忘れちゃいけない!」ということに気付いたんです。

 そして、自分にできることを考えてお子様と楽しめるインスタライブをやりました。事務所宛てに、お手紙や画もいただき、僕自身も元気をもらいました。

――さて、主演最新作『国民の選択』では、原子力発電存続の国民投票を前にした町議会議員の息子・敦を演じられています。

 撮影は「キラメイジャー」の前でした。取り扱っているテーマがテーマだけにひとつひとつの言葉の重みや責任の大きさを感じながら、キャストのひとりとして、丁寧に演じました。とてつもない情報量が詰め込まれた台本であったうえ、今まで聞いたことのない専門用語も多かったんです。

 それを自分の言葉としてしっかり喋らないといけないので、短期集中でいろいろ勉強してやり遂げました。

2021.03.12(金)
文=くれい 響
写真=末永裕樹