特撮ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」で、キラメイブルーを演じて、人気上昇中の水石亜飛夢。
「テニミュ」出身の彼が舞台や映像出演を経て知った芝居の楽しさとは?
●個性的な名前の由来
――「亜飛夢」という名は、16歳上のお兄さんが「亜細亜(アジア)を飛ぶ夢になってほしい」という思いから付けられたそうですが、どのように感じていましたか?
兄が手塚治虫先生のファンなので、やはり「鉄腕アトム」の意味合いもあるんです。
だから、高校まではいろいろとイジられていましたね。とにかく画数が多いので、テストのときには時間がかかりますし(笑)。
正直な話、この業界に入るまではそこまで好きな名前ではありませんでした。
――中学から剣道を学び、主将も務められていたそうですが、幼い頃の夢は?
幼稚園の頃はヒーローに憧れていましたが、小学生になると、公務員や警官など、安定した職業に就きたいと思うようになっていました。
剣道は中1から部活で始めました。球技が苦手だったことや、父親の勧めもあって、剣道部に入部しました。後輩がとても強かったこともあり、主将を務めたときは県大会出場まで行きました。
●ギター練習帰りにスカウト
――その後、芸能界に入ったきっかけは?
高校でも剣道を続けようと思ったんです。でも、部活見学に行ったときに、あまりにも厳しい環境だったので、心機一転、軽音部に入り、ギターを始めたんです。
それで地元のギター教室に通っていたときに、今の事務所の社長さんにスカウトされました。
最初は「騙されているのではないか?」と思ったんですが、宣材写真を撮るうちに社長さんからいろいろ具体的な話を聞き、「この先、こんな機会はないかも?」と感じました。まずはモデルとしてこの業界に飛び込んでみようと思いました。
――2012年、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンにて、柳蓮二役で俳優デビューされます。
今思えば、信じられない早さだったと思いますが、ワークショップで演技の勉強を始めた後、2回目のオーディションで決めていただきました。
過去の公演を観たときは感動しつつ、この舞台に立てるのかと不安でした。とはいえ、初日は来てしまう。
周りの先輩方にたくさん鍛えていただきました。舞台上からお客様の顔や熱を感じたとき、エンターテインメントのスゴさを感じました。
そして、そのときに初めて俳優という仕事を理解したような気がしました。
2021.02.26(金)
文=くれい 響
写真=末永裕樹