アクションスター、ドニー・イェンが激太りした熱血刑事を演じ、日本を舞台に大暴れする『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』で、最凶の宿敵役を演じた丞威。

 ダンサーや格闘家など、さまざまな顔を持つエンターテイナーが華々しいキャリアを振り返る。

●いつかジャッキー・チェンのように

――生後3カ月で渡米し、ダンス教室を経営する両親とともにLAで生活されていたそうですが、幼い頃の夢は?

 ダンスに関しては、物心がついたときからやっていて、3歳ぐらいからいろんなステージに立っていたんです。

 それはそれで楽しかったんですが、将来の夢はダンサーではなかったんです。

 親が持っていた『ドランク・モンキー/酔拳』をVHSで観たことをきっかけに、いつかジャッキー・チェンやブルース・リーのようなスターになりたいと思ったんです。

――お母さんの影響で、空手も習われていたんですよね。

 “男は強くあるべき”という教えもあって、5歳ぐらいから空手を習っていました。

 もともとダンスで身体を動かすことも好きでしたし、ジャッキーになりたい願望もあり、道場に通うことはまったく苦ではなかったです。

 それで7、8歳ぐらいのときに出場した初めての試合で負けてしまい、さらに強くなりたいと思い、最終的には高校生で、USA大山空手(国際大山空手道連盟)のアメリカ大会で優勝するところまでいきました。

――ディズニー・チャンネルなどで子役として活躍し、11歳から12歳にかけては、ジョーイ・ティーという名前でジャニーズ事務所に所属されていました。

 両親がジャニー(喜多川)さんと知り合いだったので、その期間だけ所属していました。

 その頃の僕は、フレッド・アステアやジーン・ケリーのように、なんでもできて、多くの人に夢を与えられるエンターテイナーになりたいと思っていましたね。

 彼らの存在はアメリカのショービジネスで仕事をする人間なら、知っていて当たり前の存在ですから。

2021.01.01(金)
文=くれい響
撮影=榎本麻美