2020年のホリデーシーズンから年末にかけては、自宅でゆっくり過ごすという人も多いはず。そんなまったりタイムのおともに、今年公開された話題の映画はいかがでしょうか?

 恋愛やヒューマンドラマ、サスペンスなど様々なジャンルの注目作品を、カルチャー誌などで活躍する映画ライターの鍵和田啓介さんがセレクト。

 すべてNetflixで視聴可能なので、手軽に楽しめますよ!

» Netflixオリジナルドラマ篇はこちら


ホリデー限定の恋人契約を結ぶ2人の行方やいかに…?

◆『ホリデーオンリー: とりあえずボッチ回避法?』

 現在のハリウッドには、“世界三大エマ”と呼びたい世代を同じくする3人のエマが存在します。エマ・ワトソン、エマ・ストーン、そして、エマ・ロバーツです。

 3人とも青春映画やラブコメといった、ともすれば軽んじられがちなジャンル映画にも積極的に出演する姿勢が好ましかったのに、最近のワトソンとストーンが出演するのは、アカデミー賞にからみそうな作品ばかり。

 ジャンル映画を偏愛する者にとって、これは由々しき事態です。

 その意味で、今もなおラブコメを主戦場としているロバーツは、希望の星と言えましょう。

 そんな彼女の真骨頂を、とことん味わえるのが本作です

 話は単純明快。恋人に恵まれない男女が(女性のほうを演じているのがロバーツです)、クリスマスやバレンタインデーなど相手がいないと気まずいホリデー限定の恋人契約を結ぶのですが(劇中では“ホリデート”と呼ばれます)、クールに始まった2人の関係は、一緒にすごす時間が長くなるにつれ、かけがえのないものへと変化していく……といった具合です。

 要するに、『ラブ・アクチュアリー』や『バレンタインデー』といった“ホリデーもの”と、『恋人たちの予感』や『ステイ・フレンズ』といった“友達以上恋人未満もの”という、ラブコメの十八番的な設定を大胆にもかけ合わせた、おいしいとこ取りな一作なのですから、楽しくないはずがありません。

 しかも、クリスマスに始まりクリスマスで終わる作品でもあるので、もはや今の時期に見ない理由はないでしょう。

◎あらすじ

『ホリデーオンリー: とりあえずボッチ回避法?』

アメリカのホリデーにはパーティが付き物。その際、パートナーがいないと居心地が悪い。ひょんなことから出会った男女は、そんな打算的発想からホリデーのときだけカップルとしてすごすことになったのが、やがて淡い恋心が芽生えていき……。

2020.12.24(木)
文=鍵和田啓介