ギザギザと切り立つ 巨大奇岩群に圧倒される
仏ヶ浦の奇岩群のうち、特徴的な岩には名前が付けられています。
龍の頭を載せたような「岩龍岩」、角度によって如来さまの横顔に見える「如来の首」、二羽の鶏が向かい合ったような「双鶏門」など。どれも想像力をかきたてる形をしています。
中でも圧倒されたのが、修験者の一団のような「五百羅漢」。ギザギザと切り立つ奇岩群が極楽浄土の門番のように、立ちはだかっています。
この風景を目にしたのは、佐井港からボートに乗り込み約30分、仏ヶ浦にいよいよ近づいた頃。
この日、午前中は晴天だったのに、午後になって曇天に急変。しかも海況が悪化し、シートにしがみついていないと、ロデオの荒馬に乗っているようにガクン、ガクン。もう必死です。
そんな時、視界に飛び込んできたのが「五百羅漢」。あまりの神秘的な風景に、ぽかんと口が開いてしまいました。仏ヶ浦に上陸して、視界いっぱいに迫ってきた「天龍岩」も、まるで異世界の門を前にした気分。
昔の旅人も仏ヶ浦の風景を前にして、極楽や冥界を連想したようです。
2020.03.14(土)
文・撮影=古関千恵子