雪の上のクラウドバーで霧氷を一望

 雪原で雪の楽しさを知った後は、雪の美しさを満喫する場所へ。標高1,088メートルに位置する「霧氷テラス」は、雪山の絶景と霧氷を眺められる展望スポットだ。

 霧氷というのは、氷点下2~10度ほどで霧が樹木に付着する自然現象のこと。環境が整わないと観られない貴重な自然の風景を、ここトマムなら、高い確率で眺めることができる。

 特等席は「Cloud Bar」。見晴らしのいい山の斜面に設えたカウンターの高さは地上3メートル、長さ13メートル。目の前にさえぎるものがないため、まるで霧氷の上に浮かんでいるような感覚で、冬の絶景を楽しむことができる。

 身体が冷えてきたら、「霧氷テラス」で温かなスイーツとドリンクを。冬季限定の「霧氷フォンダンショコラ」は、温かいケーキの上に結晶の形をしたホワイトチョコレートと、霧氷がついた枝を表現したチョコレートが添えられて、見た目も可愛らしい。

 「霧氷コーヒー」は、アート作品のようなユニークなホットコーヒー。霧氷をイメージした真っ白な飴細工をコーヒーに溶かしながらほんのりとした甘みを味わうと、ほっとする。

 雪山で遊びつくした身体を癒やすのは、「雪ガールスパトリートメント」。まずはジンジャー入りのハーブティーで身体を中から温めながら、フットバスで癒やされて。

 トリートメントでは、北海道産のハーブを使って全身をほぐしてゆく。使用するのは、筋肉痛を癒やすセントジョーンズワートのオイルと、カレンデュラの花を使用した保湿効果のあるボディミルクだ。

 疲れにアプローチする絶妙なタッチと道産ハーブに、じわじわと疲れが癒やされていくのを実感する。

 2日目の夕食は、リゾートにあるイタリアン「オットセッテ トマム」でフルコースを楽しむのもよし、カジュアルに、リゾート内にある「cafe&barつきの」で開催されている冬の目玉、「海鮮こぼれフェス」に繰り出すのもよし。

 海苔巻きの上にこぼれんばかりに盛られているのは、イクラやカニ、マグロやサーモン、ウニ、ホタテなどのシーフード。これは、北海道では寿司や海鮮丼にイクラをこぼれるほど盛り付けることを「こぼれいくら」と呼んでいることから着想を得た、ユニークなメニューだ。

 毎年大人気の「海鮮こぼれフェス」にこの冬登場したのは、「メガこぼれ寿司」。海鮮とご飯のボリュームは、一般的な握り寿司の30貫分! 肩肘はらずに楽しめるメニューを選べるのも、充実のリゾートならではだ。

 滑らなくても楽しめるアクティビティが揃っている「星野リゾート トマム」。「寒いのは苦手」派こそ、冬に旅する価値は大。雪に触れ、自然を感じているうちに、冬のアウトドアが好きになってしまうかもしれない。

星野リゾート トマム

所在地 北海道勇払郡占冠村中トマム
電話番号 0167-58-1111(代表)
https://www.snowtomamu.jp/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

Column

ウェルネスを極める 星野リゾートの旅

星野リゾートが今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」。バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。

2020.02.23(日)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵