貸し切りの雪原で、足跡のない銀世界を独り占め!
ぐっすりと眠った翌朝は、さっそく雪原へ。朝の雪原は、誰の足跡も付いていない、まっさらなキャンバスのよう。
「こんな場所を独り占めしたい!」と誰もが抱く憧れを実現させてくれるのが、「雪ガールステイ」。このプランでは、この雪原を貸し切りにできるのだ。
雪原までは、屋根と窓が付いたスレッジキャビンで移動する。暖められたキャビンのなかで、ホットドリンクを飲みながら間近に雪景色を眺めるなんて、とても贅沢な体験。
マイ雪原に到着したら、ふかふかな雪を独り占め。雪の上に寝転がるのもよし、雪の上をひたすら歩くのもよし。誰もいないからこそ、思う存分に雪を楽しめる。
もし、足跡を見つけたのなら、それは夜明け前に動物が付けたものかもしれない。トマムには、多くの野生動物が生息している。これも、この時間、この環境ならではの発見だ。
こんなに静かな雪原では、雪の世界をじっと見つめるのも、醍醐味のひとつ。「雪ガールグッズ」に含まれる「雪めがね」を使って、雪の結晶を探してみよう。同じ形は2つとないといわれる雪の結晶。そのミクロな世界に思わず夢中になってしまう。
雪の上で身体を動かすと、さすがにお腹もペコペコになる。雪遊びを終えたら、ちょうど朝食タイム。32階に位置するレストラン「プラチナム」で雪原を眺めながら食べる「雪あさごはん」がお待ちかねだ。
メインは雪鍋。ゆり根やゴボウなど、冬においしい根菜を覆うように、白い蕪や大根が盛り付けられた鍋は、トマムの大地に降り積もる雪を表現したもの。
出汁には、敷地内の「ファーム星野」から届いた新鮮なトマム牛乳を使っている。この自家製牛乳こそ、味の秘密。
青草をたっぷりと食べて育った放牧牛から搾るミルクがおいしいのはもちろんのこと、冬は牛が体内に脂肪をため込むため、濃厚な味わいの牛乳ができるのだそう。
雪のなかで冷えた身体も、じんわりと温めてくれる朝ごはん。食べるにつれ、じわじわと元気になっていくのを実感する。これなら、今日もまだまだ雪山で遊べそう!
2020.02.23(日)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵