北海道の食材だからよりおいしい、イタリアの郷土料理をフルコースで
ディナーは、メインダイニングの「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」でフルコースを。ホテルのメインダイニングがイタリアンというのは珍しくはないけれど、ここが異彩を放つのは、食材のみごとな生かし方。
トマムとよく似た自然環境にあるイタリアのピエモンテ州やリグーリア州の郷土料理と、北海道ならではの食材をうまく掛け合わせている。
たとえば、「宝石箱」は、フィンガーフードのように小さく繊細な料理を集めた前菜。
鯛とホタテ貝のムース、生ハムのブール(ブランデー漬けの干し柿)、チュイール(ケシの実とチーズ)、鱈のクロケット、トウモロコシと黄パプリカのガスパチョ、蟹のフラン&ルッコラと蟹味噌、グジェール(チーズ風味のクリームとサーモン)……など、その名のとおり、宝石のような繊細さと美しさ。食べ終えても、そのビジュアルが記憶に残る。
「海の太陽」と記された冷前菜は、意外性に驚かされる一品だ。
ウニとリーキ(西洋ネギ)のパンナコッタは、ゴージャスな見た目に反して、味わいはとても繊細。リーキのパンナコッタは濃厚なウニの味を楽しめるよう、少量の塩だけで調味されている。
コンソメジュレとウニとが混ざり合った瞬間、「海の太陽」というネーミングに深く頷いてしまう。
「潮の温もり」と題された魚料理も、北海道らしさにあふれた一品。
「海藻に包まれた鮮魚の蒸し焼き」のストーブを開けると……ふんわりとした磯の香りが!
ベースの昆布出汁に加え、蛤や蕪の優しい風味も、じんわりと旨みを醸し出す。
この独特の料理を生み出すのは、有名ホテルやレストランで研鑽を積み、出身地の北海道へ戻ってきた料理長の武田学シェフ。自ら畑や漁場に出向き食材を吟味しているからこそ、この料理が生まれる。
このダイニングには、2~6歳に対応した無料のキッズサービスもある。
保育資格を持ったスタッフが常駐しているから安全に遊ぶことができるうえ、「オットセッテ トマム」が考案したキッズメニューも用意。
使用する野菜は甘いものを厳選し、さらに熱を加えて調理した、野菜嫌いの子どもでもおいしく食べられるスペシャルな内容だ。
「小さい子どもがいるからファインダイニングは難しい」と思っている人も、心ゆくまでフルコースとワインを楽しめる「オットセッテ トマム」。こんな時間を過ごすことができるのも、「星野リゾート トマム」の醍醐味なのだ。
星野リゾート トマム
所在地 北海道勇払郡占冠村中トマム
電話番号 0167-58-1111(代表)
https://www.snowtomamu.jp/
Column
ウェルネスを極める 星野リゾートの旅
星野リゾートが今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」。バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。
2020.02.22(土)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵